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院長の独り言 26 ; 千代藤号(秋田犬)の想いで

此処数年ペットブームは大変なものがあります。

私も犬を飼った経験がありますが、犬を飼うと面倒を見れば見ただけ、可愛がれば可愛がっただけ、飼い主に忠実に懐いてくるところが人気の理由でしょう。

飼い主以外は無視するのが、尚更、飼い主の満足感を刺激するのです。

この気持ちは一生懸命、飼い犬の面倒を見た人でなければ理解出来ないでしょう。

先日、ブログで前述したように(『院長の独り言 6 』にて)、私も飼い犬の秋田犬『千代藤号』を、今から思えばバカじゃないかと思うほど、飼育に入れ込みました。

友達との大事な約束があろうが、その約束をキャンセルしてでも、犬の面倒を優先して見ていました。

冬の寒い時でも毎朝4時に起きて1時間ほど散歩して、夜も何時に帰ろうが疲れていようが、また1時間以上、千代藤を連れて走りました。本当に走るんですよ!!!

私の親父やお袋、そして兄弟にも呆れられても、毎日毎日、世話を励行していました。

たまには見兼ねて、家族が手伝ってくれましたが…。

千代藤は家族にも一応は懐いていましたが、私には特別でした。

私が帰る3分ぐらい前から尻尾を振り始め、1分前になるとその振り方は大揺れになるそうで、家の門(親父が公務員でしたので官舎でした)に入ると、千代藤が目尻を下げてにじり寄ってくる姿を見て、母も呆れていました。

犬は特別、耳がいいのです。

その千代藤が3歳になる前に胃がんで早死にし、それからは犬は飼っていません。

気が抜けたと云うか本当に落胆し、哀しい思いをしました。その後は、一遍に犬に対する情熱が冷めてしまいました。

下写真はその千代藤号の勇姿です。

藤千代の思いで

ケンテック社アルファタイトインプラントシステムF-typeの良さ

現在日本では、約30種類ものインプラントシステムが市場に供給され、医療現場で使用されています。

当院では、過去においては6種類、現在は3種類のインプラントシステムを使用しております。

最も多く用いているのは、ケンテック社の『アルファタイト』という国産インプラントシステムです。

アルファタイトを主に用いている理由は、骨との親和性が高い表面性状を持つインプラント体である事や、チタンの肉厚が厚く折れにくいインプラント体である事などありますが、その中でも最も重視している点は、アバットメント(インプラントに接続する土台)がほとんど動揺しない(マイクロムーブメントを生じにくい)嵌合(かんごう)を有す事です。

インプラント嵌合

アバットメントの動揺が大きいインプラントシステム(動揺の程度は、アバットメントとの接続、つまり嵌合様式に支配されます)は、インプラントを支える骨の吸収度合いが大きく、インプラントの寿命が短くなるのです。

その嵌合を活かして、ケンテック社の林社長と知恵を出し合い、新しいインプラント体のデザインを決定し、昨年7月にF-typeというインプラント体を発売しました。

F-typeの詳細の説明は、極めて専門的になるので避けますが、骨が吸収しにくい設計のインプラント体です。

来る2/21(日)と2/28(日)の講演会でも、F-typeの有用性について詳しく説明します。

以下の写真は、インプラントを埋入してから3ヶ月後、インプラントの頭出し手術の写真です。

(写真をセピア色にしているのは、観血的な治療内容に不快感を覚える方への配慮です。血を観るのが苦手な方は、閲覧を避けて頂けたら幸いです)

F-typeインプラントが完全に骨内に埋まっている写真です。3ヶ月間で、ここまで骨に被われるインプラントシステムは少ないのです。

インプラントの位置を見極めて、掘り出した写真が、その下の写真です。

そして更に下の写真は、掘り出したインプラントにキャップを装着した状態のレントゲン写真です。

この状態で、クラウンを被せると、審美性が高く、骨の吸収しにくい、長持ちする治療が完成するのです。

骨内完全埋る

骨内より明示

レントゲン写真4

平成22年2月21日(日)と2月28日(日)、インプラント治療の講演を行います。

インプラント治療の基礎から、最新の知見までの総覧的な講演会です。

副院長が講師を務めます。

平成22年2月21日(日)は、(株)ケーオーデンタル宇都宮営業所で、

また翌週、2月28日(日)は、(株)ケーオーデンタル城南営業所(川崎市)で行います。

近隣の歯科医師、歯科技工士そして歯科衛生士の方々、奮ってご参加ください。

20100121講演会

20100228講演会

上アゴのどの歯がインプラントなのか分かりますか?

答えは全て、インプラントが土台の歯です。

インプラント審美歯科は、ここまで進歩しています。

当院では、全く歯が無い方でも、天然の歯と見分けがつかない程、美しい治療結果が実現されます。

唇側審美1

口蓋アバット1

下の写真の症例も、上アゴが全く歯の無い方ですが、インプラントの歯で見違えるほど、美しい歯を再現しました。

セット後

アバット模型

院長の独り言 25 ; 物事の裏側

本日1月17日(日)に、衛星テレビをザッピング(チャンネルをガチャガチャ変える事)していたら、古い西部劇の白黒映画が目に飛び込んできました。

学生の頃は、インディアンが白人騎兵隊にピストルで打たれているのを見て、拍手喝采したものです。

西部劇の映画の設定は、常にインディアンが悪者でした。

まだ子供でしたので、単純に善が悪を撃つという、良い白人が悪いインディアンを倒している勧善懲悪を見て喜んでいたわけです。

しかし大人になった今では、偶然目にした西部劇を見ると、北米大陸先住民の人々に随分失礼な見方をしていたなぁと反省しきりです。

いわゆる西部劇は、元々、北米大陸に住んでいたインディアンを悪者に仕立てあげて、侵略者たちが力ずくで征服した事を隠す為の宣伝映画だったんですネ。

全部が全部とは云いませんが、自分たちを正当化する為には、全ての国が利用する手法です。

のどかに暮らしていた先住民の人達は、異国人がピストル振り回して入り込んで来た時はさぞや驚いたことでしょう。

我々が当たり前に受け入れている事でも、逆の立場で考察してみると、大切な真実が見えてくることがあります。

院長の独り言 24 ; カルタゴの教訓

昨年の秋に、『古代カルタゴとローマ展』を家族と見に行きました。

カルタゴは紀元前8世紀頃に、現在のチュニジア共和国の首都チュニスに近い湖の東岸にあった古代都市で、現在は歴史的遺構で有名です。

その展示物は素晴らしく、その当時の繁栄が偲ばれ、保持していた科学技術もさる事ながら、全ての面で周辺国を凌駕していたと思われます。

カルタゴの建国から繁栄、そして国が崩壊していく歴史も、詳しく展示されていました。

紀元前820年頃に国が出来、そして紀元前6世紀にカルタゴは西地中海の覇者となり、さらに勢力をのばし、北アフリカの沿岸や内陸部まで領土を拡大していきました。

そのカルタゴが覇権国として君臨した理由は、海軍を中心にした強力な軍隊を持っていたからです。

紀元前5~4世紀にかけて繁栄の絶頂期となりますが、結局、他国の嫉妬をかい、特にギリシャそしてローマ帝国との戦いに敗れて、次第に自信を失ったのか、軍事力を最小限にして貿易すなわち経済で国を立て直そうとしたのでした。

良い時もあったようですが、最後には強大な軍事力を持ったローマ帝国に滅ぼされてしまいます。

そして、カルタゴは抹殺されて二度と世界史に登場してきません。

展示されている歴史書をここまで読んでいると、何だか背筋がブルブルと寒くなり、そしてゾッとしてきました。

どこかの国に似ているのです…。

明治から大正、昭和そして現代へと、日本が歩んできた道と。

多分、いま日本は、カルタゴのように消滅するのか、あるいは、素晴らしい未来を子供たちにプレゼント出来るのかの岐路に立たされているのだと思います。

そろそろ戦後60年以上も経っているのですから、自分の国くらいは自分たちで守る気概を持つべきではないでしょうか。

勿論、その道は、経済的な功利性など、色々なものを捨てる厳しい道となるでしょう。

しかし、日本を第二のカルタゴにしないように、そして子供たちの為にも、国民全員で真剣に話し合う時期にきているのだと思います。

カルタゴ

院長の独り言 23 ; 砂かぶりでの大相撲観戦に行く

さる1月12日(火)に大相撲の観戦に招待され、夫婦で行ってきました。

初場所3日目、魁皇が幕内勝ち星の数で、今までの記録を塗り替えるかと云う話題で盛り上がっていました。

我々の席は砂かぶり。土俵のすぐ前の席での観戦で、迫力満点です。お相撲さん同士の息遣いや、身体がぶつかり合った時の凄まじい音は、テレビの前での観戦とは一味も二味も違います。

随分前に升席で見た事はありましたが、砂かぶりは初めてでしたので本当に良い経験をさせて貰いました。

そして、相撲が江戸時代から明治、大正、昭和、平成と、なぜ人気を保ってきたのか、砂かぶりでの観戦で自分なりに謎が解けたような気がしました。

その第一の理由は、土俵が意外にも非常に小さいことだということに気付きました。

写真やテレビで見てたり、また、升席で観戦していた時でさえも、かなり広く感じていましたが、実際近くで観戦すると、2人のお相撲さん、それをさばく行司が土俵の中に入るとそれだけで一杯一杯という感じで、非常に狭い空間しかありません。一寸した動きで、すぐに土俵際まで追い込まれてしまうのです。

だから小兵力士でも大男にも勝てるチャンスが生まれてくるし、色々な技も生かされてくるのだと合点(ガッテン)悟りました。

土俵が広いと機敏な動きもあまり効果を生まず、相撲が大味で逆転の面白みがかなり薄れてきます。

腕力だけの戦いになりがちとなり、当たり障りのない、つまらない相撲が多くなるので、見ている方はハラハラドキドキしなくなり、結果として相撲人気も衰えていくはずです。

相撲を始めた江戸の人は、土俵の小さい事がスリルを生むと云う事に気付いていたのでしょう。

それを踏まえて小さい土俵を守ってきた明治、大正そして現代の人もたいしたものです。

もう一つは高校野球と同じで、出身地である郷土を大切にしている事も人気に関係していると思いますが、この頃は残念なことに、日本人の強いお相撲さんが居ないことです。

男子プロゴルフの強くてハンサムな石川遼君のようなスターが相撲界にも出現することを願ってやみません。

大相撲

院長の独り言 22 ; 新幹線の進歩に医療の現実を重ねる

新幹線は東京オリンピックの開催に合わせて、東京-大阪間が開通した超特急です。

それ以来、国鉄いや日本が世界に誇る交通機関である事が現在色々な意味で証明されています。台湾等が、新幹線を輸入して、走らせているのがその証拠です。

私が小学生の頃は東京―大阪間の乗車時間は約12時間も掛かりましたが、高校生の時は6時間、大学生になった時に3時間と、どんどん短縮されています。また、今では国内のかなりの地域で新幹線の路線が整備されてきました。

更には、3時間でも足らずに、もうすぐでリニアモーターカーが登場し、東京―大阪間を1時間半で走ることになるそうです。

若い時は1日24時間では足りず、その倍は欲しいくらいで、仕事や家庭の事で忙しく、テンテコ舞いをしていました。

時は金なりで、交通機関として新幹線は本当に素晴らしく感じていました。

ところが今、70歳を超えてくると時間に余裕が生まれて来たのでしょう。小学生の頃、あのノンビリ走っていた蒸気機関車や電気機関車を、本当に懐かしく感じるのです。

信越本線ではスイチバックしながら、止まるのではないかと思う程、ゆっくりゆっくりと走っていたものです。そのような汽車にもう一度、乗ってみたい欲望にかられます。

顧みて、医学も新幹線のようにどんどん加速度的に進歩していくのでしょう。実際、そうでなければ困ります。

インプラントや人工関節などに代表される様に、欠損してしまった身体の一部が、見た目に蘇るだけでなく、機能の面においても自分の物として使えるのですから、医学の進歩は新幹線と同じで驚きです。

話題のiPS細胞を利用するなどして、心臓、肝臓、そして歯牙の再生治療は、現在、行われていませんが、将来、それらも可能になることでしょう。

現在、医学のリニアモーターカーの代表格は再生医療です。現実の技術の進歩は止められない速さで進んでいますが、時には、蒸気機関車や電気機関車にノスタルジーを感じる気持ちも必要でしょう。そうでなければ、技術の暴走が野放しになる可能性もあるのですから。

院長の独り言 21 ; 医療という仕事、その構造的な矛盾を中学生につかれる

開業して直ぐに、八王子の或る中学校の校医を仰せつかりました。

郊外にある、自然が豊かな大変環境の良い学校で、運動場も広く、生徒達も伸び伸び学校生活を楽しんでいるようでした。

其の頃、今では考えられない程に歯科医が不足していたので、生徒達の口の中は虫歯や歯肉炎が多く、おまけにブラッシングの指導もやっと公的に行われ始めたという時代でした。

6月4日のいわゆる虫歯予防の日には、当院の歯科衛生士2名と学校の講堂で大きな歯の模型を見せながら、歯の大切さとブラッシングの重要性を、一生懸命講義しました。

講演を終えて質問の時間、その頃の生徒達は結構多くの疑問をぶつけてきましたが、一つだけ今でも鮮明に覚えている質問があります。

あるぽっちゃりとした紅顔の美少年が大きな声で、『なんで歯医者さんが虫歯を少なくするような事をするのですか?』と質問してきたのです。つまり、虫歯が少なくなったら、われわれ歯科医師は商売にならないのだろうと…。

先生と生徒みんな、会場全体が大爆笑となり、それからは和気藹々の素晴らしい歯の衛生指導会となりました。

なんで歯科医師の不利になる事(=虫歯や歯周病を減らす事)を我々がしなければならないか?それは医療とは非常にパブリックな仕事だからです。医療の目的は、決して利潤の追求のみ(=極端にプライベートな事)にはならないのです。何とか、この構造的な矛盾を生徒達に理解して貰えたようです。

それから約30年間、その中学校に校医として指導にいきました。

あの生徒は今頃どうしているかな~。

シクラメン

院長の独り言 20 ; 冬季オリンピック開催前に思うこと

もうすぐ冬季オリンピックがカナダのバンクーバーで開催されます。

フリースタイルスキー・モーグルで、我が国代表である上村愛子選手はじめ、いろいろな種目でのメダル獲得が期待されています。

ですが(始まる前から不平を言うのもなんですが)、日本人として、オリンピック審査委員会に一言いって遣りたい気がするのです。

というのも、日本の選手が活躍し出す競技種目は、日本選手に不利なように、すぐにルールを変えられてしまう…、と思えるからです。

これは、単なる私だけのヒガミでしょうか?

かつてのスキージャンプ団体戦においては長野オリンピックでの日本人選手の金メダル獲得後や、荻原健司選手がジャンプとクロスカントリー複合でワールドカップ連覇していた後に、ジャンプのルール変更がなされています。

一方、ヨーロッパの色々な国の選手が連覇しても、アジア人等に不利なルールは長い間、変化なしです。

今度はフリースタイルスキー・モーグルにおいて、上村選手の活躍が目立ってきたので、ルールが変えられるというのは本当でしょうか?

上村選手は、正確なターン技術が持ち味です。しかし、点数の半分を占めるターンの正確さが、得点源として評価されなくなるというのです。

もしそのような事が事実ならば、オリンピック担当委員の方は是非強く抗議して頂きたい。

スポーツ外交も含めてですが、我が国はどうも外交一般に弱く、いつも歯がゆい思いをしているのは私だけでしょうか。

かつて、大学の医局に在籍していた時に中国からの留学生が、『なぜ日本人はすぐすみませんと云うのか不思議だ。中国では謝ったら負けですよ』と首をかしげていました。同じことは、訴訟多発社会のアメリカにも言えるのでしょう。

日本では、『すみません』は『こんにちは』と同じ挨拶みたいなものだと説明しましたが、それを理解するのに随分時間が掛ったようです。

『すみません』は、対人関係での摩擦をあらかじめ避ける意味があるのかも知れません。個人的には、相手を慮るよい言葉だと思います。

しかし、外交分野では話は別です。

新聞やテレビの報道によると、北朝鮮の外交官が、その訴えの内容の良し悪しは別として、一生懸命に自国のためにゴリ押しとも思えるほどの主張しています。

その是非はカッコに置いておいても(何度も言いますが!)、外交交渉とは、お互いに自国の立場を主張して、論議しつくして、最後の最後に妥協点を見つける事だと思います。

最初から相手の意見を聞いていたら損をするだけです。

担当の方には、多数決で事が決してしまうのを黙って見過ごさずに、多数派工作にも励んで頂きたい。

日本の代表選手が競技以前で不利にならないように、願っています。

院長の独り言 19 ; 前菜は大量のスパゲッティーで…

敗戦後しばらくの間は、我が国では食生活も貧しく、私が本格的な西洋料理を経験したのは、既に30歳を超えてからの事でした。

それまでフランス料理といえば、牛の薄いステーキが出れば満足で、イタリア料理のスパゲッティーにおいては、その種類の多さに圧倒されていました。

勿論、本当のコース料理などはハナから経験が無く、ちょっとした前菜や魚の料理を食べた後に、最後に出てくるのがスパゲッティーだと思っていました。

後々、イタリアを旅行した時、ローマのレストランで見たイタリア人の家族と思しき4人が席について、まずワインを嗜んでから後、かなりの量のスパゲッテーを食べ始めたので、我々と同じで、やはりイタリア人も食事の締めはスパゲッティーなのだと納得していました。

ところが、そのあとに生野菜、鮮魚そして肉料理と楽しそうにお喋りしながら、びっくりするほど沢山の量を食べていました。

その時初めて、スパゲッティーはイタリア料理では前菜なのだと知りました。

今でもコースのイタリア料理では、メインが出る前に、スパゲッティーを食べる事にどうもなじめずにいるのです。

きっと、イタリア人の底抜けなラテン・パワーは、あの旺盛な食欲から来るのですね。

一方、私は近頃、食欲が落ちるばかりで…。情けない。

お正月はやっぱりお雑煮が一番!

院長の独り言 18 ;我々は生かされている…、他力の思想

今日、テレビや新聞で、人口18万人の山口県宇部市で宝くじの一等2本、前後賞4本が出て話題になっていました。この様な狭い地区で、このように何度も福の神が舞い降りてきた確率はゼロに近く、事実、宝くじ発売始まって以来の出来事だそうです。

話は変わりますが、皆さん、我々が今この世に存在している確率と宝くじの三億円に当たる確率と、どちらがゼロに近いものでしょうか?

答えは我々の存在する確率の方が、全然比較に成らないほど、無限大にゼロに近いのです。

秀吉とその家来についての、ある昔話があります。

ある時、戦で大活躍した家来に、『褒美として望みの物は何でも与える』と、秀吉は約束しました。そして、その家来は『それでは将棋盤の升に端から1粒、次の升に2粒、3番目の升は4粒、4番目は8粒と、1升ごとに倍々に、最後の升までの合計の米粒を頂きたい』と願いました。

秀吉は『それだけで良いのか。随分と遠慮深いの~』と安請け合いしたとか。

秀吉のこの返事は実に軽率で、将棋盤の升は9×9で81升、たかだか知れていると彼は判断したのでしょう。

皆さん、この乗数の数学ゲームの恐ろしさを計算してみて下さい。

その当時、日本で取れていた米の全ての取れ高よりはるかに多いのです。

『申し訳ない。それだけは勘弁してくれ』と秀吉は謝ったとか。この話は2のn乗のすごさを分かりやすく説明した話で、実話かどうかは定かでは有りません。

話を我々の存在がゼロである事の証明に戻します。

我々の親は言うまでもなく父と母2人です。祖父母の代になると4人、その前になると8人と言った具合で、時代を遡っていくと、どのような結果になるのでしょうか。こちらも、2のn乗の世界です。つまり、私の5代前の直接の祖先は、2の5乗で、32人存在したわけです。

多分、奈良や平安時代の頃まで遡ると、何かしら関連していて、とどの詰まり、今の日本人全員が親戚になるでしょう。『壬申の乱がもしなかったら』とか『関ヶ原の戦いが一寸違っていたら』とか、または一日天候が変化しただけでも、いま存在している我々は1人も存在しなくて、全く違った人間が生きているかも知れません。

もしかすると、出会うはずであった、我々の先祖の男女2人が、大雨で会えなくなったかもしれないのですから…。

こういった観点から物事をみると、歴史も大変興味深く身近に感じてきます。

さらに時代を遡り、マンモスの闊歩していた何十万年の昔、恐竜の生きていた1億年前、そして三葉虫やアンモナイトなどがこの地球を我が物顔で生きていた4億年以上の昔と、連綿と生命の連鎖は続いてきた訳です。今までで発見された一番古い生物は40億年程むかしに存在した単細胞だそうです。

この約40億年の間で、どこか少しでも違っていたら、例えば、ある三葉虫が子供を産む前に古代魚に食われてたらとか、もし、ある類人猿同士のひと組でも死に至るような喧嘩をしていたら、きっと今と違った人が存在していて、我々はこの世に存在しないかも知れません。

計算してみて下さい。生命は連続しているのですから。

要は、我々は宝くじの一等を当てたより、それ以上の偶然性を受けて、この世に生を受けているのです。決して、いま、ここにいる自分が必然性を持って、この世に生を享受している訳ではないのでしょう。

三億円当たると人は「ついていたなぁ~」と言いますが、この世に生を受けた我々は、もっともっと比較にならない程に、ついていると思います。しかも、人間として生まれてきたのですから、尚更、ついています。

この世に動物として生まれていれば、お腹が空いたとか味への好みを、知覚は出来たかも知れませんが、自分の存在については自覚できなかったでしょう。

人として辛いこと、悲しいこと、そして負の経験も沢山経験することも事実ですが、やはり偶然の偶然の偶然で生まれてきたという事、ゼロの確率で生まれてきた事を大切にして、淡々とそして大きな力に感謝して生きていきたいと思っています。

また、ゼロとゼロの確率が出会い、時には愛しあったりするのです。この世に共に生きている“縁”を、是非、大切にしたいものです。

ここに他力の思想が誕生するのです。

院長と独り言 17 ; 歴史を善と悪に仕分けしないで…

新年、明けましておめでとうございます。

毎年元旦に、靖国神社に初詣に行くことにしています。

行きはじめは、いつもの様に日本が敗戦した8月15日に、ある首相が靖国にお参りに行く行かないで、大変な話題になっていたある年です。

私の親族に軍人の犠牲者がいなかった事もあり、お墓参りは自分達のご先祖の霊に感謝を込めて、年2回毎年、家族で花などを手向けていますが、それがある年、靖国神社が気になり、夏のお盆休みにお参りに行きました。

盛夏の靖国神社は少しひんやりしていて、伊勢神宮や明治神宮と比べると小じんまりとし、むしろ素朴で清潔な神社といった様子で、軍国主義の象徴のようにマスコミで騒がれている事が不思議に思えました。

本殿にお参りした後、遊就館(戦争に関する色々な資料が展示されている場所)に入って、本当に心から驚きました。

私も戦争の頃、4~5歳でしたので、少しは空襲や疎開の記憶が残っています。

疎開中はひもじい思いを常にしていました。

今時の若い人に理解出来ないでしょうが、食べられない空腹の辛さ程、きついものは有りません。

ここに来るまでは、私も戦争の犠牲者のはしくれであると思っていました…。

ところがこの資料館に来て展示物を拝見し、自分自身が本当に恥ずかしく、そして気が沈みました。

特攻隊や、陸軍、海軍の軍人さんや看護師さん等が家族に書き残している遺書を読んだ時、人前でしたが自然と涙がでてきました。

なにしろ、殆ど20歳前後の若者で、彼らの遺した日記や手紙、遺書を読むと、その内容が悲しくて辛くて愕然としたからでした。

しかも、これらは夫々、美しい文字で書かれていて、これから死地に赴くとは到底思えない程、冷静に淡々と書かれているのです。それらの美しい文を読むと、一層の悲壮感が湧いてきます。

無限の可能性を秘めた未来があった若者たちの御冥福を心より祈られずにおられません。

誰が靖国神社のことを『軍国主義の象徴』などと言ってるのでしようか?

私はまったく逆に感じ、このような青年たちを多数犠牲にするような戦争を二度としてはならないと心から思いました。そして、この神社は『軍国主義の象徴』ではなく、平和の象徴であると心底から感じました。

靖国神社に日本人だけでなく世界中の人に来て頂き、そして参拝し、遊就館を是非見て貰い、世界中が戦争の無い世の中になってほしいと心から祈念しています。

我々の代表である日本の首相が最低年に一度は靖国神社に参拝に行き、犠牲になった英霊に心よりお参りしてほしいと願って止みません。

いま我々は将来のある青年の犠牲の上に在るという事を心より感じ、私は毎年元旦に参拝しています。

いわゆるA級戦犯の存在を理由に、お参りしないのは良くない事だと、遊就館に遺されたものを観た今は、感じている次第です。いろいろ理由はあるのでしょうが、戦勝国が一方的に裁いたA級戦犯なる方々も、同じく、日本の為に働いた今は亡き魂の一つなのですから…。

この神社を『軍国主義の象徴である』と言ってる人は、きっと、遊就館を見ていない人なのでしょう。

靖国神社

笑いの効用

あけましておめでとうございます

2010年のスタートです。

 

先日読んだ本の中に『笑い』についての記載がありました。

 

笑いの効用を9つにまとめると…

  1. 脳内ホルモンの分泌で痛みなどを緩和
  2. 内臓の消化機能が向上
  3. 横隔膜や腹筋などを強め便秘を予防
  4. 免疫力の向上
  5. 血液がさらさらになって生活習慣病を予防
  6. アルファー波が増え全身が癒される
  7. 若返りホルモンの分泌促進
  8. 頭がすっきりし忍耐力とやる気が出てくる
  9. 自分が笑うと相手も笑顔になる

 

ということだそうです。

笑顔は自分や周りの人の気分を良くするだけでなく

こんな効果もあるんですね♪

 

きれいな口腔を持つ方は

自信を持って笑顔になれます。

 

2010年は今までより少し

ご自身のお口の中に

関心を持つ年にしませんか。

 

皆様の一年が

輝く笑顔で、心も体も元気に過ごせる素敵な年になるよう

私たちも精一杯努力していきます。