院長の独り言 456 : 喫煙者諸君
私は30歳までは−あまり人には言いたくはないというか、隠しておきたいのですが−大変なヘビースモーカーでした。
喫煙が許される二十歳になって、興味半分で直ぐにタバコを吸い始めました。
当時は、有名なレストランでも、喫茶店でも、公共の場所でも、例えば病院や図書館でも、喫煙には甘かったので、あまり罪悪感は無かったのです。
映画の中でも、超有名なスターが美味しそうに煙草を吸っていたものです。
おまけに、大学に入学して直ぐに麻雀を覚えてしまい、悪友?たちとテツマン(徹夜で麻雀をする事)を週に一回はやるようになり、ムンムンひどいタバコの煙の中でチーポン!をやっていたのです。
「ハイライト」「ピース」「ホープ」など日本の銘柄や「キャメル」「ケント」「マルボーロ」など洋物など、いろいろの銘柄の煙草をみんなでプカプカやっていたのです。
開業してからも、患者さんから贈り物で煙草を頂きました。
ところが、開業して一年も経たないある日、テレビ、新聞などが一斉に「煙草を吸っていると癌になる」とキャンペーンを始めたのです。
『胃潰瘍、心臓病、脳溢血にも』と言い出し、煙草は悪の権化の如く世の中で言われ始めたのです。
職業柄、薄々分かってはいたのですが、ニコチンの誘惑に負けて吸っていたのです…。
しかし、子供にも患者さんにも示しがつかないと決断したその日から、喫煙をスッパリ辞めました。
受付を長く務めて呉れていた江頭さんに「見事です、先生!」と言われるほど、それまでヘビースモーカーだった私はそれから現在までタバコの一本も口にしていません。
禁煙を始めて一週間は今だから白状しますが、何回もタバコに手を出しそうになりましたが必死に我慢しました。
喫煙を止めると同時に、以前に買った高級なライターも、勿論、マッチもタバコに点火する道具はみんな処分してしまったことが功を奏したのでしょうか。
禁煙から一ヶ月程度すると、もうタバコに興味が薄れてきて、一年も経つと、全くタバコが頭から消えたのです。
不思議なことに、却って傍(そば)でタバコを吸われると、早くその場から離れたくなったのです。
喫煙時にタバコが無くなると、あんなにイライラしていたのがウソのようです。
ただ、タバコを止めると、その分小遣いが貯り、気分的に余裕が出来ると、何かの本に書いてありましたがそんな事は有りませんでした。
相変わらずピイピイしていましたが…。
煙草をやめて45年、現在、健康でいられているので、やはり禁煙が健康に寄与したのは事実です。
個人的な体験では、タバコを止めるコツはタバコの本数を少しずつ減らしていくのではなく、止めると決めたらその時から即座に一本も吸わないようにすることです。
今は禁煙治療で効率的に喫煙をやめられるから、喫煙者には福音ですね。
また喫煙は歯周病の重大なリスク因子でもあります。
喫煙者諸君、頑張ってそろそろ禁煙しましょうか!