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院長の独り言 323 ; 天気予報

最近、少し暖かくなったと思うと、翌日はコート無しで外に出たくない程に寒くなったり、また、その翌日にはポカポカ陽気です。
気候の変動が激しい季節の節目。
もうすぐ春の到来ですね。
気象衛星のお陰で、現在、天気予報はかなり正確です。
戦後、気球を飛ばして、上空の気圧や温度を観測出来るようになり、より正確な天気予報が可能になりました。
それでも、現在と比較すれば、予報が大きく外れる場合も、多々、見受けられたものです。
明治17年6月1日に、日本で初めて東京気象台(現在の気象庁)から、全国の天気予報が発表されました。
ちなみに、第一号の天気予報は、『全国一般 風ノ向キハ定リナシ 天気変リ容シ 但シ 雨天勝チ』です。
この天気予報は、東京市内の交番に掲示されたそうです。
当時は、当たるも八卦、外れるも八卦状態だったのですが、それでも、天気予報を始めた事に意義がありました。
20世紀前半までは経験則で、例えば、『夕焼けの翌日は晴れる』とか『月に暈(かさ)がかぶると、翌日、雨が降る』など、言い伝えを参考にしながら、天気の予測を立てていたようです。
また、天気予報と言えば、冬の典型的気圧配置の『西高東低』がポピュラーです。
日本では、西に高気圧、東に低気圧の状態になった時が、一番寒いのです。
理由は、空気も水と同じで、高いところから低いところに流れて行きます。
気圧の高い高気圧(大陸の冷たい空気)が、気圧の低い低気圧(太平洋の暖かい空気)に向かって流れるので、寒いと云う訳です。
高気圧は時計回りに回り、低気圧は反時計回りです。
下降気流の高気圧、即ち、上から下に向かって気流が流れ、大陸のシベリア高気圧から出る冷たい北風が、低気圧に容赦なく降り注ぐのです。
夏は反対に、高気圧(太平洋の暖かい空気)が日本列島の上に存在するので、大陸の冷たい空気(低気圧)を寄せつけません。
もし、夏、大陸の低気圧が日本列島に長居すると、冷夏になってしまい、農作物に多大の被害が出てしまいます。
更に稀には、日本の近場で大噴火(例えば、フィリピンのピナツボ火山の大噴火)が起こって、日光が噴煙に遮られて、冷夏になったりする場合もありますが、殆どの気象現象は、当たり前ですが太陽の活動次第です。
ご存知のように、北半球と南半球では夏冬が逆です。
これは、地球の自転軸(一日一回、北極と南極を軸にして回る)が、公転軸(一年かけて、一回太陽の周りを回る)に対して、少し傾いている(約23度)ので、太陽熱が強く当たったり、弱くなったりする事により起きる現象です。
自然の大きな力に翻弄されながら、人間はその力の間隙をぬって、生きていくしかないのですね。

院長の独り言 322 ; 聴覚語ではない日本語

日本人は、外国語を喋るのが苦手です。
その一番の理由は、日本語が視覚から入る言語からだと言われています。
英語をはじめ仏語、独語などは聴覚語です。
文字に意味はありません。
耳から言葉を覚えます。
勿論、日本語も最初は耳からですが、直ぐに、目から言葉の意味を覚えるようになります。
皆さん意外でしょうが、中国語も聴覚語です。
簡略漢字を簡単に創ってしまい、漢字本来の意味が解らなくなってしまっても、中国の人は、何ら不自然に感じないのは、中国語が聴覚語だからです。
本来の漢字の意味をシッカリ受け継いでいるのは、皮肉にも中国人ではなくて日本人です。
漢字に意味を認めていたので、中国語には無い『峠』など、日本で生まれた漢字は結構、あります。
中国人をはじめ、言葉が聴覚語である国(世界中のほとんどの国)の人は、日本人と違って外国語を簡単にマスターしてしまいます。
外国語を耳から覚えるのに馴れているのです。
我々は、いちいち意味を確かめてしまうので、外国語を喋るのが世界で一番、苦手な国民と云う訳です。
もし我が子に、外国語を流暢に喋らさせたかったら、文字を覚えないうちに、英語でも、中国語でも、耳からの学習法をすべきです。
何でこんな話をしだしたかと言いますと、先日、『北京故宮博物院200選』を観に行った時に、長文の漢詩の中に『平仮名』が混じっていた事に興味を感じたからです。
平仮名は、日本で発明された文字です。
奈良時代に、律令国家になった我が国は、文字を書く機会が大幅に増えたので、何とか漢字を簡略化したいと痛切に感じたのです。
しかし、漢字を簡略化したくはなかったのでしょう。
そこで、現在の国会の速記のように、速記しやすい平仮名を完成させていった説が、現在、有力です。
あくまで俗説ですが、柿本人麻呂や空海が平仮名を創ったとも云われています。
漢字を簡略化せずに、大切に残した先人たちは、大したものです。
漢字、平仮名のお蔭で、その後、平安、鎌倉、室町、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和、そして平成と、文字の文化が発展してきました。
おまけに、日本人はカタカナも発明していますが、これも、外来語のふり仮名には無くてはならない文字です。
また、日本語の文章には、言葉と言葉をつなぐ『は』や『を』のような助詞が欠かせません。
この事も、世界で珍しい視覚語を発達させた要因のようです。
しかし最近は、文字離れ、読書離れが甚だしく、嘆かわしく思います。
日本語は、世界で珍しい視覚語です。
日本語は読書の為にあるような言語ですから、たくさんの本を読もうではありませんか。
欲を言えば、グローバリゼーションの昨今、努力を重ねて、外国語もペラペラいきたいものですがね。

院長の独り言 321 ; 60インチの3D液晶テレビ、買ったどぅ~!

定期的に行なっている血液検査の結果が思(おも)わしくなかったので、気分的に落ち込んでしまい、ブログを書く気にならず、失礼しました。
自分としては、好きなお酒を絶って、相当に努力したつもりでしたが、『そうは問屋が卸さない』です…。
40年間以上、毎日、晩酌しいていたのに、タッタ3カ月間、禁酒したからと言って、そんなに簡単に、検査値が正常になる訳がないと、家族全員に意見されてしまいました。
結果が良くなっていない事実を、冷静に受け止める事にした途端、少しづつ元気が出て来たので、今、パソコンに向かっています。
気晴らしを兼ねて、休日、新宿の大型電気店に、前々から興味のあった3Dテレビをヒヤカシに行ってきました。
実際、60インチの3D液晶テレビを目の当たりにすると、ヒヤカシどころではなく、その迫力と画面の綺麗さに圧倒されて、直ぐにでも自分の物にしたくなってしまいました。
信じられないほどの迫力満点の画像を熱心に見ていると、タイミング良く、係の人が『良いでしょう?』とニヤッと笑うのです。
こちらの心の内を見透かしているようです。
『ヨシ!買った!』てな具合で、勢いで60インチの3D液晶テレビを買ってしまいました。
一週間もすると、届くであろう3Dテレビを今から楽しみにしています。
スポーツやドキュメンタリー、映画など、立体画面を楽しめる番組は未だ少ないのですが、早速、3D映画のDVDを観てみようと、ウキウキしています。
何しろ、『病気』と云うくらいですから、結局、『気の病』。
立体化された画像を楽しんでいると、血液検査の値も少しは改善するのではないかと期待しているのですが…。
クヨクヨしているだけだと、益々、身体がオカシクなるような気がするのです。
食事や飲酒を制限するのは勿論ですが、ある意味、『開き直って』生活していこうと思っています。
3Dテレビ対応のエアロビDVDなんか、迫力があって、運動を楽しくできるかな…、と思って、アマゾンで検索してみても、1つも表示されません。
絶対、売れると思いますけど、業者さん、如何でしょう?

院長の独り言 320 ; 顎関節症の患者さんが増えています

八王子市で歯科医院を開業した昭和47年。
今から40年前に、『顎(あご)が痛くて、食事が辛い』や『口を大きく開けられない』など、顎関節の不調を訴えて来院する患者さんは、大変、少なかったのです。
虫歯の治療や義歯製作を希望する患者さんが、ほとんどでした。
ところが、最近、顎関節の不調を訴えて、当院を受診する患者さんが、驚くほど多くなっています。
顎関節の不調は、今と同じように、昔から存在していたと考えられますが、自分が大学病院に勤務していた時、顎関節の治療は、口腔外科で対応して、現在のように独立した治療部はありませんでした。
顎関節の不調で、大学病院を受診する患者さんが少なかったからでしょう。
やはり、顎関節の病気、主に顎関節症の患者さんが、大幅に増加してきているのでしょうか。
おまけに、患者さんが訴える症状が、以前より複雑になってきているのです。
『口を大きく開けられない』とか、『硬い物を食べる事が出来ない』など、顎関節の機能不全に直結している訴えは、当然ですが、もっと深刻で複雑な訴えが随伴しているのです。
『頭が痛い』『舌先や舌縁がヒリヒリする』『首のコリ、肩コリがする』、『腰が痛い』『手や足が痺れる』『のどや耳が詰まった感じがする』『よく眠れない』などなど…、多くの不定愁訴を、伴っているのです。
息子が口腔外科出身で、今でも、大学の顎関節治療部の非常勤講師なので、顎関節の不調を訴えて来院する患者さんで、テンテコ舞い状態です。
多くの患者さんは、うつや不安を呈しているようです。
初診時は、面接だけでも、1時間は話し込んでいます。
現代のようなストレスフルな社会を乗り越えるために、無意識に歯を噛みしめてしまい、顎に過度の負担が掛かっているのでしょうか?
俗論ですが、現代に生きていると、硬い食べ物が少なくなり、軟らかい食べ物ばかりで、咀嚼筋が衰え、顎骨が小さくなってしまい、ただ単に、日常生活を送っているだけでも、顎関節や周囲組織を痛めつけているのかもしれませんね。
一歯科医院で、患者さんたちのお口を定点観測しているだけでも、現代人の顎骨が脆弱になっているのを伺い知れます。
若い患者さんの顎をレントゲン写真で観察すると、親知らず(第三大臼歯)だけでなく、永久歯の萌出するスペースがなくて、埋伏したまま、顎骨から生えてこない歯が多いのです。
もっと言えば、考古学の博物館を訪れれば、一目瞭然です。
縄文人の下顎骨を観察すると、親知らずまでキチンと歯が生え揃っていて、奥歯が咬耗で歯の半分くらいまで擦り減っています。
いかに硬い物を食べていたか、想像に難くありません。
歯が擦り減っていると云う事は、食べ物が良く噛めていた証拠でしょう。
顎が痛いと云う悩みも、現代ほど、多くなかったのかも知れません。
今ほど、複雑な人間関係も無かったでしょうし…。
ストレスフルな現在、精神状態が寄与因子となって、顎関節の不調などの身体症状を引き起こしているのです。
息子の恩師、東京医科歯科大学歯学部附属病院の顎関節治療部の木野孔司部長が、先日、テレビ番組に出演して、TCH(Tooth contacting habit;上下歯列接触癖)について解説していました。
不安やストレスが切っ掛けとなり、TCHやくいしばりが癖となってしまい、顎関節症や肩コリを治りにくくしている、というお話でした。
TCHの対処法として、『張り紙法』を推奨していました。
『張り紙法』とは、身体の緊張を正確に認識することにより、リラックスした状態を学習する方法です。
TCHのある人は、睡眠時の歯ぎしりも伴うと、報告されています。
歯ぎしりは、睡眠時の行動ですから、本人が意識して治す訳にはいきません。
そこで、起きている時に、自分の部屋や居間など、3分間以上、滞在する場所すべてに、『歯をはなして、リラックス!』の張り紙をして、張り紙を見るように心がけ、TCHを止めるのです。
もしTCHをしていたら、全身の緊張感を意識しながら、息をゆっくり吐くのです。
『溜息をつく』感じです、分かりますか?
この方法は、顎関節症の治療としても、効果が期待出来るのです。
是非、試してみてください。