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院長の独り言 335 ; 歳を取ると、存外、美味しいものは食べられない…

若い頃から塩せんべいが大好物でした。
饅頭(まんじゅう)や餅菓子などの甘いものは、余ほど勧められない限り、口にはしなかったし、ましてや、自分から買い求めて食べることは滅多にありませんでした。
石川歯科の女性陣は『甘いものは別腹、別腹』と言って、お腹一杯、食べた後でも、平気でケーキを平らげます。
5個も、10個も、ケーキを美味しそうに食べているお嬢様たちを見ると、ただただ感嘆の目で見ていました。
ところが最近、私も食後に、ケーキや大福餅を食べたくなる時があるのです。
若い頃、あんなに甘いものを敬遠していたのに、ケーキが目の前に出てくると、自分でも不思議なくらい食べたくなるし、食べれば心底、美味しく感じるのです。
それに反比例するように、塩せんべいを口にしなくなりました。
一時、家内やテレビの健康番組が『減塩!減塩!』と五月蠅(うるさ)く言うので、時には、つい反抗したくなり、『塩を舐め 冷酒を飲んで 後悔している天邪鬼(あまのじゃく)』と云った状況になっていました。
お陰で、ついに腎臓や肝臓を、少々痛めてしまったのです…。
深酒すれば、肝臓がおかしくなるし、塩分の強い料理を食べる(これが美味しいのです!)と、高血圧になって腎臓に負担がかかります。
一体、小生はどうすりゃいいのか、イライラしていました。
そんな中、大腸ポリープを切除しました。
切除した後、不幸中の幸いか、食事は完全に薄味になってしまいました。
お酒も勿論、飲んでいません。
身体に良い食事かも知れませんが、精神的には多分にストレスフルです。
これからは女性軍に見習って、食後のデザートに、小さいケーキを食べて精神的なバランスをとるようにするのが、一番、身体に良いのではないかとも思っています。
しかし、甘いものをあまり食べ過ぎると、今度は糖尿病になってしまいますか…。
歳を取ると、存外、美味しいものは食べられませんね。

院長の独り言 334 ; 運転恐怖症

都内に用事がある時は、電車とバスをよく利用します。
以前は、自分で車を運転して、都内と言わず何処へでも出掛けていました。
電車を利用することは、ほとんど無かったのです。
運転歴50年間、それも毎日、運転していたので、『車は下駄履き代わり』でした。
ところが、若い頃よりはズーッと慎重に運転しているつもりでも、最近、運転するのが怖くなってきたのです…。
報道によると、老人の車による事故が多発しています。
若い人の自動車事故は、スピードの出し過ぎ、脇見運転など、運転技術の過信や不注意によるものが多いです。
一方、高齢者の事故原因は、若い人と明らかに違います。
60歳以上の皆さんは、自分なりに慎重に運転はしているのでしょう。
しかし、スピードを控え、後ろに着いた運転手がイライラするほど安全運転をしているのに、事故ってしまう場合があるのです。
反射神経が鈍くなってきているのでしょうか?
咄嗟(とっさ)の判断が上手くいきません。
老人特有の事故に、ブレーキとアクセルの踏み間違いがあります。
若い人には、この踏み間違い事故を殆ど聞きません。
自分でも運転中、足がスムーズに動かず、ロボットのような動きをしてしまい、ドキッとする事があります。
先日、運転免許を更新しに、府中の運転試験所まで行ってきました。
現在、70歳以上は、更新の際、運転実技試験が義務づけられています。
10人の高齢者たちと、実技試験を受けたのですが、ほとんどの人は、もう自動車を運転するのは止めた方が良いといった感じでした。
車庫入れが上手くいかなかったり、縁石に乗り上げてしまったり…。
試験官に怒られて、頭をかいている人が何人もいました。
話を聞いてみると、『もう運転はしていないのですが、イザという時の為に、免許は返上したくない』との事。
イザという時だけ、運転する方が、危ない様な気もしますが…。
私は…と云うと、自慢している訳ではありませんが(実は自慢しているのですが)教官に褒められたのです。
『あなたは、まだ大丈夫な方ですよ。でも、慎重に運転してくださいね』
私は、『家族みなに、慎重の上に慎重に運転しろと言われていますから!』とニコニコ答えました。
ここで、冒頭の話に戻ると云う訳です。
最近は、ゴルフ場に行く時以外、なるべく運転しないようにしています。
運転自体をあまりしたくないのが、本音といったところです。
他人さまを傷つけるのが、一番、罪深いですから。

院長の独り言 333 ; 大腸内視鏡のあと、いろいろ…

大腸ポリープ切除後、『2週間は食事に注意するように!』と病院で注意を受けました。
ポリープを切除する時、先ず、ポリープの首根っこに、輪を掛けます。
その輪の上部を、電気メスで切除した後、クリップで止め、止血するのです。
傷口をしっかり縫っている訳ではないので、もし食べ物が傷口に引っ掛かると、出血してしまうのです。
従って、引っ掛かりやすい野菜類、豆類、果物類、海産物など、繊維性の強い食べ物は禁忌で、肉や魚なども勿論、駄目です。
毎朝、日課にして飲んでいた野菜ジュースも止められました…。
何しろ、万が一でも出血してしまうと、開腹して傷口を縫う羽目になり兼ねません。
『開腹はご勘弁』と云う事で、お粥やパンなど、食べた気のしない軟食を2週間も、指示された通りに我慢して食べました。
おかげで、70年余、酷使し続けた消化器官がスッキリ綺麗になった気がします。
ゲッソリ痩せてしまいましたが…。
2週間後、病院を再診し、切除したポリープの病理組織診断の結果は、幸い異型度が低いとの事で、ホッとひと安心です。
先生の診断では、CT検査も受けた方が良いと云う事で、肺から腎臓まで20分程度の時間をかけて撮影して貰いました。
その結果がどうなるのか、心配の種は尽きません。
食事制限について先生に尋ねると、『どうぞ、どうぞ。もう普通食を召しあがってください!』と許可が出たので、今、恐る恐る量を減らして食べ始めました。
診断を終えての帰り際に、小生の酒好きを知ってか知らずか、『アルコールも深酒しなければOKですよ!』と、先生は笑いながら声を掛けてくれました。
ところが、ポリープ切除の前後の一カ月間、完全に禁酒したせいか、あんなに許可が出たら飲もうと思っていたお酒を正直、飲む気がしないのです。
従って、現在も禁酒を続けています。
いつまで続くやら分かりませんが…。
ここ数週間、家族にも、病院スタッフにも、患者さんにも、大変、気を使って頂き、助けて頂きました。
開業以来、大病をした事が無かった小生としては、ポリープが数個見つかった時、『もしかすると、今度こそ駄目かも知れない…』と、心配していたのです。
そうすると、更に皆さんに迷惑を掛けることになります…。
健康であり、美味しく食事を頂けている有り難さ。
皆さんに支えられて生きている有り難さを、しみじみと感じ入っている次第です。

院長の独り言 332 ; 大腸内視鏡検査を受けたら、ポリープが数個見つかりました…

先月初旬、定期的に行なっている血液採取を、息子にして貰いました。
検査の結果、6種類の腫瘍マーカーの中で、CEA値が正常基準値を超えてしまったのです…。
そこで、以前から気になっていた腸の疾患、大腸ポリープや腫瘍が有るのか無いのかを診て貰う為に、都内の病院へと大腸の内視鏡検査を受けに行きました。
CEA値は、内蔵にできるポリープや腫瘍など、病理的には『腺がん』の診断に使うのです。
6月7日(木)に予約していた御茶ノ水のクリニックを受診して、大腸内視鏡の検査をしました。
まだCEAの値が正常値を少し超えた程度なので、本人とすれば軽い気持ちで検査を受けたのです。
勿論、大腸の内視鏡検査は生まれて初めての経験です。
検査する前に、まず2リットルの大腸洗浄液を飲まなければならないので、吃驚(ビックリ)しました。
目の前に白い液体2リットルが入ったポリエチレンの容器がドーンと置かれた時は、『これは大変な検査を受ける羽目になったわい…』と、内心、少々の後悔をしました。
7~8人の受診者が一緒でしたが、皆さん、うんざりした様子で洗浄液と戦っていました。
全員、当然ですが、無口で緊張した面持ちです。
飲み切った後、洗浄液で大腸が綺麗になった人から内視鏡の置いてある検査室に入ります。
幸い小生は、一番早く検査室に入る事が出来ました。
先ず、大腸の動きを緩慢にする薬を腕の三角筋へ筋肉注射です。
その後、お尻に内視鏡が入ります…。
若い頃から胃弱で、胃カメラ検査は何度も受けていたので、大腸の内視鏡検査を受けるに際し、全く恐怖感はありませんでした。
ただ、一寸恥ずかしい気持ちはあったのですが。
胃カメラを飲む時は結構、吐き気がして辛い思いをしましたが、今回の検査は全く痛くないものとタカを括っていたのです。
ところがカメラが腸の奥に押し付けられるように入って行き、大腸内部の最初の角を曲がる時に、かなりの内蔵深部痛を感じたのです!
深部痛は何とも言えない、気持の悪い感じの痛みです。
しかし、直ぐ検査も終わるだろうと我慢していたのですが、次の角に内視鏡が入る頃になると、今度は激痛が走ったのです。
『先生、まだ当分この痛みは続くのですか?』と冷や汗をかきながら尋ねたところ、『まだ、まだ』との事。
お願いして、鎮痛薬を静脈からワンショットで入れて貰ったのです。
実は通常、鎮痛薬を検査前に注射で打つのだそうですけど、うっかりして忘れていたそうです…。
その後、ゆっくり時間をかけて、小腸の一部と大腸全部の検査を受けたので、鎮痛薬を打って貰って、本当に良かったと思いました。
結果、大腸ポリープが幾つか見つかり、即座にポリープ切除術を施して貰ったのです。
術後、1時間をかけて止血液の点滴をした後、看護師さんから『野菜、果物、肉類、豆など線維性の強い物や油っぽい物は、2週間程度は絶対口にしては駄目!』と声を強くして注意を受けました。
勿論、運動も禁止され、仕事も無理をしないようにとの事でした。
もし、クリップで止めたポリープ切除部が切れてしまい出血すると、今度は開腹手術になるかも知れないと脅かされました。
思ったより大変な経験をしてしまい、シュンとしてしまいましたが、反面、宿題をやり終えた達成感(?)もあります。
2週間後の病理診断の結果、ポリープが癌化していない!と出るまでは、本当のところ、まだまだホッと出来ないのですが…。

院長の独り言 331 ; カマキリの天気予報

気持ちのよい季節を迎えました。
寒くもなく、暑くもなく、たまに起きるゲリラ豪雨に目を瞑れば、頬を撫ぜる微風の心地よい季節です。
近所の公園を歩いていたら、青々と茂った雑草の根元に、カマキリを見付けました。
『もうカマキリの徘徊する季節が訪れたのか』と、この小さな狩人を掌に乗せてみます。
皆さんは気持ち悪いと思うかも知れませんが、小さい時から昆虫大好き人間の私とすれば、カマキリくらい、手に取っても平気の平左です。
見れば見るほど面白い面構えです。
カマキリを観ていて思い出したのですが、カマキリが凄い能力を持っている事を皆さんご存知ですか。
カマキリは冬の降雪量を見事に的中させます。
その冬が大雪になるか、ならないかを占ってくれるのです。
卵を木の高いところに産みつけた時は、その年は大雪。
反対に、低いところに産みつけた時は、殆ど雪が降らないそうです。
これが良く当たります。
西洋ではカマキリを『予言者』と呼んでいるほどです。
秋に産んだ卵は、ひと冬の厳しい環境のなかを生き延びて、毎年5月頃、ふ化します。
冬の間に、大切な卵が雪に埋もれてしまえば、一巻の終わり…。
不思議な事に、カマキリは、その冬にどのくらい雪が降るのかを、秋に予測して卵を産みつけるのです。
その上、カマキリは大雪以外にも、半年先のふ化の時期の気候も知っているようです。
卵がふ化する日の前後は、不思議なほど、温暖な状態が続くのだそうです。
カマキリはカゲロウのように、ある日、一斉に、ふ化するのではありません。
5月から7月半ばに、徐々にアチコチでふ化するのです。
全部のカマキリがふ化するのには、各々の個体が、天気の良い日を選ぶのです。
おまけに、赤ちゃんカマキリが産まれた場所には、餌となる小さな虫が沢山、生息している、即ち、餌場がごく近くに在るのです。
『予言者』面目躍如です。
恐ろしい事に、交尾が終わるとオスはメスの餌になります。
オスはムシャムシャと、頭からメスに食べられてしまいます。
絶対にオスは逃げる事が出来ません。
カマキリにはなりたくないなぁ~