院長の独り言 331 ; カマキリの天気予報

気持ちのよい季節を迎えました。
寒くもなく、暑くもなく、たまに起きるゲリラ豪雨に目を瞑れば、頬を撫ぜる微風の心地よい季節です。
近所の公園を歩いていたら、青々と茂った雑草の根元に、カマキリを見付けました。
『もうカマキリの徘徊する季節が訪れたのか』と、この小さな狩人を掌に乗せてみます。
皆さんは気持ち悪いと思うかも知れませんが、小さい時から昆虫大好き人間の私とすれば、カマキリくらい、手に取っても平気の平左です。
見れば見るほど面白い面構えです。
カマキリを観ていて思い出したのですが、カマキリが凄い能力を持っている事を皆さんご存知ですか。
カマキリは冬の降雪量を見事に的中させます。
その冬が大雪になるか、ならないかを占ってくれるのです。
卵を木の高いところに産みつけた時は、その年は大雪。
反対に、低いところに産みつけた時は、殆ど雪が降らないそうです。
これが良く当たります。
西洋ではカマキリを『予言者』と呼んでいるほどです。
秋に産んだ卵は、ひと冬の厳しい環境のなかを生き延びて、毎年5月頃、ふ化します。
冬の間に、大切な卵が雪に埋もれてしまえば、一巻の終わり…。
不思議な事に、カマキリは、その冬にどのくらい雪が降るのかを、秋に予測して卵を産みつけるのです。
その上、カマキリは大雪以外にも、半年先のふ化の時期の気候も知っているようです。
卵がふ化する日の前後は、不思議なほど、温暖な状態が続くのだそうです。
カマキリはカゲロウのように、ある日、一斉に、ふ化するのではありません。
5月から7月半ばに、徐々にアチコチでふ化するのです。
全部のカマキリがふ化するのには、各々の個体が、天気の良い日を選ぶのです。
おまけに、赤ちゃんカマキリが産まれた場所には、餌となる小さな虫が沢山、生息している、即ち、餌場がごく近くに在るのです。
『予言者』面目躍如です。
恐ろしい事に、交尾が終わるとオスはメスの餌になります。
オスはムシャムシャと、頭からメスに食べられてしまいます。
絶対にオスは逃げる事が出来ません。
カマキリにはなりたくないなぁ~

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.