院長の独り言 453 : 無知は罪だ

小学生の頃から、絵を描くのが大好きでした。

大人になったら絵描きになろうと本気で思っていたくらいですから。

理由は、絵を描くこと自体が好きだったのも当然ですが、小学2年生になった年に、東京都主催の絵画コンクールで優秀な成績を納め、小学生の部で優勝してしまったからです。

その時の絵は、私が大人になった時にも、卒業した小学校に展示されていました。

と云うのは、大学生になった頃、小学校の近所に用事が出来たので、用事のついでに懐かしさも手伝って、学校に寄って見たのです。

懐かしの玄関に入った正面の壁に、何か見た覚えのある絵が飾ってあったので、近づいてよくよく見てみると、何と、小学二年生の時に描いたあの絵だったのです。

ビックリするやら、感激するやら、涙が出そうになった事を思い出します。

今も絵が大好きで、色々な美術館や展覧会にはなるべく行くようにしています。

若い頃は不遜にも、ピカソやダリの抽象画を見て、「下手くそな絵だナァ」と本気で思っていました。

「俺ならモットましな絵が描けるワイ」と内心思っていたのです。

ところが、その後、神田神保町の古本屋で、ピカソの若い頃、描いた画集を偶然見つけて、心の底からビックリしました。

あまりにも素晴らしいデッサンや写実画を描いていたのがわかったのです。

それまでは、ピカソの絵イコール奇妙な抽象画だと思っていたのですから。

とても自分なんかには足下にも及ばない素晴らしい写実画が描かれていたのです。

ピカソの抽象画は、画家としての揺るぎのない基礎技術と、他者に真似のできない独創の上で描かれており、本当に恥ずかしい思いをしました。

同様に、ダリも若い頃、素晴らしい絵を描いています。

それ以来、絵は趣味で描くことに決めました。

何事も知ったかぶりは大恥をかくと、若い時に思い知らされ、それ以来、人様に何か話をする時や行動に出る時は、特にこれぞと云う時など、ひと息いれてから話すように慎重になりました。

無知は罪ですなぁ〜