院長の独り言 20 ; 冬季オリンピック開催前に思うこと
もうすぐ冬季オリンピックがカナダのバンクーバーで開催されます。
フリースタイルスキー・モーグルで、我が国代表である上村愛子選手はじめ、いろいろな種目でのメダル獲得が期待されています。
ですが(始まる前から不平を言うのもなんですが)、日本人として、オリンピック審査委員会に一言いって遣りたい気がするのです。
というのも、日本の選手が活躍し出す競技種目は、日本選手に不利なように、すぐにルールを変えられてしまう…、と思えるからです。
これは、単なる私だけのヒガミでしょうか?
かつてのスキージャンプ団体戦においては長野オリンピックでの日本人選手の金メダル獲得後や、荻原健司選手がジャンプとクロスカントリー複合でワールドカップ連覇していた後に、ジャンプのルール変更がなされています。
一方、ヨーロッパの色々な国の選手が連覇しても、アジア人等に不利なルールは長い間、変化なしです。
今度はフリースタイルスキー・モーグルにおいて、上村選手の活躍が目立ってきたので、ルールが変えられるというのは本当でしょうか?
上村選手は、正確なターン技術が持ち味です。しかし、点数の半分を占めるターンの正確さが、得点源として評価されなくなるというのです。
もしそのような事が事実ならば、オリンピック担当委員の方は是非強く抗議して頂きたい。
スポーツ外交も含めてですが、我が国はどうも外交一般に弱く、いつも歯がゆい思いをしているのは私だけでしょうか。
かつて、大学の医局に在籍していた時に中国からの留学生が、『なぜ日本人はすぐすみませんと云うのか不思議だ。中国では謝ったら負けですよ』と首をかしげていました。同じことは、訴訟多発社会のアメリカにも言えるのでしょう。
日本では、『すみません』は『こんにちは』と同じ挨拶みたいなものだと説明しましたが、それを理解するのに随分時間が掛ったようです。
『すみません』は、対人関係での摩擦をあらかじめ避ける意味があるのかも知れません。個人的には、相手を慮るよい言葉だと思います。
しかし、外交分野では話は別です。
新聞やテレビの報道によると、北朝鮮の外交官が、その訴えの内容の良し悪しは別として、一生懸命に自国のためにゴリ押しとも思えるほどの主張しています。
その是非はカッコに置いておいても(何度も言いますが!)、外交交渉とは、お互いに自国の立場を主張して、論議しつくして、最後の最後に妥協点を見つける事だと思います。
最初から相手の意見を聞いていたら損をするだけです。
担当の方には、多数決で事が決してしまうのを黙って見過ごさずに、多数派工作にも励んで頂きたい。
日本の代表選手が競技以前で不利にならないように、願っています。