院長の独り言 55 ; 生命の大切さ

天文学者にはロマンチストが多いそうで、『宇宙は無限に広いから、どこかに必ず地球と同じように生命が存在する星が有る』と云う説を唱える人が多いようです。

彼らによると、望遠鏡で毎日毎夜、天空を見ていると、宇宙のあまりの雄大さに、観察すればするほど、宇宙人が必ず現存するに違いないと確信となってくるそうです。

光は1秒間に地球の赤道を七まわり半の距離(約30万Km)を進みます。

太陽から最も近い恒星まで、その光が到達するのに4年間(4光年)以上掛かるのです。

100億年の彼方からも、地球に星の光が届いて来ていると云う事は、やはり宇宙は無限に広いのでしょう。

しかも、その光は100億年前のものですから、我々はその星の100億年前の姿を見ている事になるのです。

もう現在は、その星は100億年先にすっ飛んで行ってしまっていて、我々の見ている場所には勿論、存在していません。

あまりにも宇宙が広すぎるので、『地球だけに生き物がいる論』は、不自然だと思うのも尤もです。

ところが、生物学者は、反対の意見を唱える人が多いそうです。

現実に、生命の『生き死に』を常に研究していると、生きている事から死ぬ事は当然の現象として受け止めていますが、いくらこの宇宙が無限大に広くても、『生命』が無くなったものから、再び、『生命』が湧き出て来る事は、あり得ない事を、現実的にいやと云うほど感じている訳です。

結果、『生命』が無い物から『生命』が湧き出てくる事は、有り得ないと信じるようになるそうです。

『まず、最初の無生物に命がどうやって宿ったのかが考えられない…』

無生物が生物に変化する瞬間が、想像出来ないと云うのです。

生物学者は研究が研究ですから、現実に、地球外生命否定論者に当然なりがちです。

なぜ、地球に生命が誕生したのか説明がつかないそうです。

どんなに宇宙が広くても同じで、生物が存在しないのが当たり前だと云うのです。

でも、我々は現に此処に生きています。

地球だけが奇跡の星と云う以外、説明の仕様がない事になるのです。

私には難しくて分かりません。

無生物の世界にどうやって生命が入って来たのか。

どうして地球に生命があるのか。

生命は宇宙では一般的なものなのか、あるいは、地球だけに存在するものなのか。

もし、後者だとしたら、この大宇宙に自分の存在を意識出来るのは地球人だけになります。

気持悪いと云えば気持悪いですね。

結論として、生命ほど大切なものは、この世では他に無いという事になります。

皆さん、自分の『生命』も、他の人の『生命』もすべての『生命』を大切に!

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