院長の独り言 373 ; 万葉集礼賛
時はまだ、平仮名の存在し無かった奈良時代。
7世紀中頃〜8世紀中頃、ある歌集が編まれました。
万葉集は、身分の高い人から庶民まで、さまざまな身分の人たちが歌っている、我が国最古の歌集です。
万葉集の中には、庶民の生活を歌ったものから恋歌など、約4500首もの多くの歌が載っています。
文字通り『万(よろず)の言葉の歌集』です。
小生は中学生の時に、国語の先生に教わりました。
万葉集についてはこの程度の知識くらいしか、私はありません。
今回、なぜ万葉集について書いていると云いますと、小野寛先生著『越中有悠閑春秋七歳』と云う書物を、直接、小野先生から頂いたからです。
先生は石川歯科医院の患者さんで、奥様もご一緒に来院しております。
万葉集の研究者として、第一人者のお方です。
お聞きすると、東京大学の国文科を出られ、学習院大学講師、学習院女子短期大学教授、駒沢大学教授を経て、高岡市万葉歴史館館長になられた万葉集研究の専門家です。
頂いた本を読み始めてみて、何も知らないことほど気楽なものはありませんでした。
頂いた本は、万葉集を編纂した大伴家持の歌を中心に解説しています。
少しずつ読んで、内容が理解出来たら、次に進むように読んでいます。
柿本人麻呂、山上憶良、山部赤人と、学生時代にお馴染みであった歌人の歌などを中心に、万葉集を編纂した大伴家持が素晴らしい天才歌人であり、名プロデューサーであった事を詳しく知ることが出来ました。
まだ、途中までしか読んでいませんが、ユックリと楽しませて頂きます。
小野先生、真に有り難う御座います!
そこで、家持の春の歌を一首、お裾分け…
春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つ娘子
春の庭が一面、真っ赤に照り輝いている。
それは桃の花だった。
その木の下の赤く照り映える道に、美しい乙女が立ち現れて見えた…