院長の独り言 356 ;グローバル 資本主義って、本当に日本人に向いているのかな?
私が若い頃、情報を得るには、新聞、ラジオ、テレビを必要としました。
そして、10数年前まで、新聞の記事、テレビやラジオで放送しているニュースを、すべて事実だと信じていました。
ところが、パソコンを購入してインターネットを覗くようになって理解したのですが、新聞社やテレビ局が報道するニュースが、真実と異なり、すこし色付けされて、われわれ一般ピープルに提供されていることが分かってきたのです。
例えば、話題になっているTPP問題。
新聞やテレビでは、TPPに参加すると、関税が撤廃されて、輸出立国日本にとって大変にメリットがあると報じています。
ところがネット上で、ISD条項(Investor-State Dispute Settlement)を調べると、TPPに日本が入ってしまうと、不平等な条約を課せられてしまうと警笛を鳴らしています。
農業分野だけでも大変な痛手を被(こうむ)るのに、全ての制度を自由化するのでスゾ!
金融(郵貯)も、保険も、医療(国民保険制度)も、公共事業(建設業)も、20部門以上全ての業界がグローバリズムに晒されてしまうと云うのです。
医療に関して言えば、世界におおいに自慢出来る制度である、我が国の国民皆保険も潰されてしまう危険性があるそうです。
国民が安心して医療機関にかかれなくなる危険性が大なのです。
また金融について考えてみれば、国民が信頼してお金を預けている郵便貯金が崩壊してしまうかも知れません。
大手の新聞社やテレビ局も、グローバル資本に乗っ取られるかも知れないのに、マスコミはTPP参加を奨励しているのには、開いた口がふさがりません。
なにしろ、聖域なし関税撤廃ですから…。
『そんな馬鹿な!』
『そんな心配なんか無い!』と、本当に言い切れるのですか?
資本主義の行く末が、本当に理解出来ているのでしょうか?
不用心で、お人好しの我が国日本が、小生、心配で、心配で仕様がないのです。
かつて欧米列強と結んだ不平等条約に、明治政府がどれほど苦しんだでしょうか。
一旦、外国と条約を結んでしまうと、簡単には破棄出来ません。
日清•日露戦争は、欧米列強の帝国主義のクビキから逃れる、独立戦争の側面が大なのですよ。
国民的レベルで、もっともっと慎重に、真剣に、議論すべきだと思うのですが、私の杞憂でしょうか?