院長の独り言 371 ; シャッター商店街
私が八王子で歯科医院を開業した40年前、昭和50年前後の八王子市八日町商店街は人通りも多く、大変な活気がありました。
そこで、私はその一角の小さなビルで開業したのです。
三階の窓から商店街を見ていると、一日中、人々で賑(にぎ)わっていました。
それが、大規模小売店舗法が廃止された2000年6月1日頃から、ジワジワと老舗の店舗が廃業に追い込まれていったのです。
気がついてみると、商店街は、シャッターを閉じている店が多くなってしまったのです.
昔からの一軒、一軒のお店が、量販店などの大きな店舗に客を奪われてしまったのです。
当院に患者さんとして通院している、老舗の店主も、大きなため息をつきながら、盛り返す良い手段が全く思いつかないと嘆くのみです。
大きなスーパーだけが日本中、何処の街へいっても目立ちます。
物を買う時、客の立場から考えれば、少しでも安くて、いっぺんに色々な品物が買えて、駐車場も広く整っている大型のスーパーマーケットに、どうしても行きたくなります。
野菜など、新鮮さが一番大切な食品は、常に売れていて新しい物が漸次並んでいるのですから、お客さんの立場からすれば、スーパーマーケットに買いに行ってしまうのが客心と云うものです。
ですから、矢張り、あらゆる面で量販店は小売店を凌駕しています。
個人の店がいくら頑張っても、色々な面で限界と云うものがあります。
さらに、少子高齢化の昨今でもあり、跡継ぎもいません。
我が国は現在、20年間以上続いているデフレによる不況に悩まされています。
多くの小売店が、大規模小売店舗法によって消滅したように、新自由主義の競争社会など進めないで、日本全体の活気が蘇(よみがえ)る事を、心から願うのみです。
どうせ、行き過ぎた競争社会は人々を疲弊させて破綻し、各国とも、保護主義的な政策を目指すようになるでしょう。
これ以上、日本全体が疲弊しないように祈るのみです。