院長の独り言 233 ; 京都旅行(その七)
我々の傍にいた若いカップルや老夫婦も、1001体の千手観音立像や風神雷神などの国宝を目の当たりにして、ビックリしていました。
本堂の端から端まで、1000体もの千手観音立像が並ぶ様(さま)に、観ている人全てが、圧倒されてしまいます。
まさしく圧巻です。
外国人も、真剣な眼差しで見学しています。
もう少しユックリと観ていたかったのですが、時間の関係上、後ろ髪を引かれる思いで、三十三間堂を後にしました。
予定が遅れ気味だったので、某鉄道会社による京都観光の宣伝に使われている、例の『千本鳥居』で有名な伏見稲荷神社に、タクシーを急いで走らせたのです。
たくさんの赤い鳥居のトンネルを、テレビ番組で見て、急に伏見稲荷に行きたくなったのですから、野次馬根性も良いところです。
全国にある稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社は、これも三十三間堂にある1001体の観音立像と同じように、先ず、鳥居の数で驚かされます。
1000本の鳥居が、境内をトンネルのように、長く長く続いて貫いています。
伏見稲荷神社は、境内の入り口である一番鳥居に入ると、大きな桜門が、そして桜門の左右にキツネが鎮座しています。
そのキツネは、今まで見た事もないほどの大きさのお稲荷さんで、顔の怖い事、怖い事。
思わず、ドキッとします。
そこから暫く歩くと、千本鳥居の入り口に。
千本鳥居の入り口からは二手(ふたて)に別れて、どちらから入っても、テレビでおなじみの長く続く、赤い鳥居のトンネルです。
二手に分かれている、どちらのトンネルを歩いて行っても、出口は同じ場所に行き着きます。
その場所が、奥社奉拝所と云い、殆どの観光客はここまで来て、それ以上、先には行きません。
本当は、ここからが本番みたいなものです。
ところが、ここからは急坂で登るのがきつく、一番の頂上にある寺社までは、大変な道のりになるので、千本鳥居をくぐった事を思い出に、殆どの観光客はここまでで引き返す訳です。
奥社奉拝所には『おもかる石』と云うスイカの大きさ程の石が祀られていて、その祀られている石を持ち上げた時に軽く感じた場合は『商売繁盛』、逆に、重く感じれば、その逆になると言い伝えられています。
5分間くらい、遠巻きに見ていると、おもかる石を持ち揚げた人の全員が『重い!』と言っていました。
自分も当然、重く感じると思ったので、おもかる石を持ち上げるのは、今回、遠慮(パス)しました。
入り口から奥社奉拝所までの鳥居の数は1000本との事ですが、千本鳥居から上に登って行けば、まだまだ沢山の鳥居のトンネルが続くのだそうです。
私も殆どの観光客も長く続く坂道を見上げて、ため息をつき『帰るとするか…』と言う事になってしまい、引き返す訳です。
予定より早く戻ってきた我々を見て、憎たらしい事に、タクシーの運転手はニヤニヤしながら、『おもかる石まででしたか?」と言わんばかりの顔をしていたのが、癪の種でした。
(次回に続く)