院長の独り言 220 ; メタンハイドレートとオーランチオキトリウム
今度の大地震の結果、原子力発電の安全神話がガタガタと崩れてしまいました。
代替燃料として、太陽熱や風力を利用する話が新聞やテレビで報道されています。
しかし、以前のブログで触れましたが、両者とも少しは足しになりますが、今の技術では到底、原子力発電の代わりにはなり得ません。
石油による火力発電も、短期においては大変、有力ですが、長期においては、エネルギーの枯渇問題を抱えています。
そこで俄(にわ)かに注目されて登場してきた代替燃料が、メタンハイドレートとオーランチオキトリウムの二つです。
メタンハイドレートとは、メタンの周囲を水が被覆している固形の物質で、無機燃料ではなく、石炭や石油と同じ生物燃料だそうです。
通称『燃える氷』とも云われています。
埋蔵場所は、深い海底です。
一方、オーランチオキトリウムは、海に自生している藻の一種です。
『仮に深さ1mの水槽で培養したとすると、面積1ヘクタールあたり年間約1万トンの炭化水素を作り出せると試算され、これは2万ヘクタールの培養面積で日本の年間石油消費量を賄える量であり、耕作放棄地などを利用した生産が考えられている。( Wikipediaより改変し引用 )』
両者ともに、その気にさえなれば、幸運な事に、日本列島の周囲で大量に調達出来るのです。
メタンハイドレートは、海底油田や天然ガスのように海底に埋蔵しています。
そして日本近海は、世界で有数の埋蔵量を誇っているのです。
しかしパイプを打ち込めば、容易に抽出する事が出来る海底油田の石油や天然ガスと違い、海底深くから掘り出さなければならない為に、採掘する費用が比較的に高価であり、大量に採掘する技術が開発されて無かった為に、敬遠されていたのです。
ところが最近、日本のある会社が簡単で、しかも大量に採掘できる技術を発明したと云う吉報が報じられています。
嬉しいですね。
オーランチオキトリウムは藻の一種ですから、栽培する畑が有れば、幾らでも採取する事が可能です。
筑波大学の開発チーム(渡邊信教授)が沖縄の海岸で発見し、研究しているとの事ですが、上記引用のように、2万ヘクタール程度の栽培する場所が有れば、日本の一年間で輸入する石油量に匹敵する量が生産出来るそうです。
今回の大津波で、海水により田畑として使う事が出来なくなってしまった土地が、不幸にも、多く出来てしまったと報道されています。
であれば、海に自生しているこの藻を、もし大々的に栽培すれば、被災地の皆さんの仕事も回復すると思われます。
いや、それ以上に、被災地の経済的な大発展も可能ではないでしょうか。
被災地が豊かな、産油地域となる、と云うのです。
夢の様な話で俄かに信じられませんが、実用化に向けて検討しても、損は無い話でしょう。
不幸な出来事を幸運の女神に変えて欲しいと、切に、切に願っています。
政府も、早急にこの二つの代替燃料について、専門家を招いて、真剣に検討して頂きたいです。
いつまでも、石油覇権国であるアメリカに、気を使っている場合ではないでしょう。