院長の独り言 136 ; 日本国政府への信頼がなければ、いくら為替介入しても水の泡です!

本日の為替レートでは、1ユーロは107円を切っています。

2年前にフランスを訪れた時は、1ユーロが160円以上でした…。

これは、東京の都市銀行でユーロに交換した時のレートです。

旅行を御一緒した人達が、現地のフランスで両替していたのですが、1ユーロ180円を超えており、大変なユーロ高でした。

2年前に東京で、3千円でランチを食べるとかなり豪華な感じでした。

ところが、パリのホテルでは3500円のランチが、東京のランチと比べ物にならないほどにお粗末な食べ物、サンドイッチ程度でした。

『全く、フランスの物価は高いなぁ~』と実感した2年前が嘘のように、今はユーロ安です。

この夏、ヨーロッパを旅行した友人の話によると、日本と比べると何でも安く感じるそうです。

と云う事は、ヨーロッパから日本に来る人は、逆に日本は何でも物価が高く感じるのではないかと思います。

私も2年前は友人にフランス旅行の感想を聞かれれば即座に、『フランスは物価が高い!』と強調していたので、それを聞いていた友人の中で、海外旅行を計画していた人は、ヨーロッパの物価に恐れをなして敬遠してしまったほどです…。

現在、欧米から日本に来ている旅行客は国に帰って、『日本は物価が高い!』と、私と同じように無邪気に吹聴している事でしょう。

政府と日銀が、早く円安傾向にしないと、海外からの観光客が激減するのでは無いかと心配になります。

過度の円高は、日本人の海外旅行、石油や小麦など外国からの輸入には大変好都合ですが、自動車や半導体など日本からの輸出にはすこぶる不利になりますし(我が国は輸出で繁栄している国です)、海外の観光客から日本は敬遠される訳です。

中小企業の社長さんが、円高に関するテレビインタビューで悲鳴を上げて『早く円を適正なレートにしてください!』と、政府と日銀に訴えている姿が目に焼き付いてしまいました。

このまま円高が続けば、外国に物が売れなくなり、倒産する会社も増える事になり、益々不景気になることでしょう。

遅きに失する事の無いように、政府と日銀には、為替に迅速に対処して欲しいものです。

何をするにもタイミングが一番大事だと思うのですが…。

また、現在の日本政府は外国、特に欧米からの信頼を失しているのでしょうか?

日本政府と日銀だけが為替介入しても、外国政府が協調してもらえなければ、為替への効果は薄いと思われます。

この日本国の迷走状態をどうにかしなければ、所詮、為替も国民生活も不安定なままですね…。