院長の独り言 81 ; こどもの日に思うことⅠ(疎開で痩せてしまい…)
私は昭和13年生まれなので、日本の激動の時代を生き抜いてきた事になります。
3歳の頃の写真を見ると、結構肉好きも良く、今で云う健康優良児といったところです。
当時、昭和16年頃の日本は、衣食住、特に食べる事に関しては、皆さんが想像している以上に恵まれていたのです。
勿論、小さい私には戦争がどうして始ったのかなど理解出来ませんでしたが、皆さんご存知の大東亜戦争が勃発し、昭和18年に入ってくると、戦いが激しくなり、私は母方の祖母と共に、遠い親戚の家(岐阜県中津川)に疎開する事になったのでした。
日本がどんどん戦争で劣勢になるのと並行して、全ての物が不足し、特に、食べ物が入手困難になりました。
そして戦争が終わるまで、育ち盛りの私は、動物性たんぱく質やお米を全く口にする事が出来ず、芋や野菜でさえも少ししか食べられない日が続いたのです。
大変ひもじい思いをし、今でもその経験がトラウマになっていて、出された食べ物を残す事が出来ません。
敗戦後に、偶然撮った写真の中の自分を見ると、悲しいかな、栄養失調のためにガリガリに痩せてしまい、3歳の時のふっくらした姿の写真と見比べると見るも無残な姿に変身してしまっていたのです。
あの当時の辛い思いが蘇ってきて、今でも夢でうなされる事がたまにあります…。
成長期に十分な栄養が摂れなかったので、その影響をもろに受け、小学校、中学校、高等学校、大学そして50歳になっても痩せていました。
とうとう、3歳の肥えていた頃の体型には戻る事は無かったのです。
ようやく還暦を超えて、腹が出てきたのでした。
これはメタボと云う事です…。(この話題、次回に続く)