院長の独り言 76 ; 『こけし』の由来

中学生、高校生の修学旅行では、お土産として、必ず、『こけし』を買っていました。

その後、成人してからも、旅行した時は、その土地の『こけし』を、第一のお土産にしていました。

ところが或る年に、友達から『こけしは“子消し”だ』と言われて、驚きました。

彼が言うには、江戸時代、東北地方で大飢饉が発生して、その時に子供が出来た場合、間引いてしまい、『こけし』を作って供養したのだと教えてくれました。

それを聞いて以来、そんな可哀想な由来の有る『こけし』を買う事が出来なくなり、『こけし』を趣味で集める事を止めてしまいました。

しかしテレビでたまに、『こけし』についての番組を放送しますが、『子消し』と説明している番組は皆無です。

もし本当の説なら、一回くらいは耳にしてもよい筈です。

そこで、自分なりに色々調べてみたところ、『こけしは子消しではない』と思うようになりました。

自分の調べた有力情報では、『こけし』は子宝に恵まれるようにと作られた人形に由来するそうで、『子消し』の正反対で縁起物だそうです。

東北の鳴子地方の発祥で、芥子(けし)の花に似ている事にその名前が由来するんだそうです。

何事も人の話を鵜呑みにしてはまずいと云う事を強く強く感じました。

それからは、地方に出かけた時には、昔のように、その地元の名物こけしを求めるようにしています。

小生から『こけし』は縁起のいいお人形だと云う話を聞いて、友達はと云うと、自分がそんな子消しの話をした事も忘れてキョトンとしていました。

無駄な回り道をしたというのか、『ああ、アホくさ!』と云う心境です。

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.