院長の独り言 39 ; 昔、大菩薩峠で遭難しかける

毎年、冬になると、雪山での悲惨な遭難事故が、テレビや新聞に登場します。

特に3月に近くなると、大菩薩峠が私の脳裏をよぎります。

私は大学生の頃に、冬山では怖い目に逢いました…。

冬山と云ってもハイキングコースの大菩薩峠。

怖い山ではないので、友達と二人でハイキング気取りで行きました。比較的に起伏が少なく、冬以外の季節には子供でも登る山です。

それは3月の上旬で天気も良く、それこそ軽装で、母に弁当のおにぎりを握ってもらって出かけて行きました。

其のころは男女二人で山に行く事は有り得ないことで、勿論、連れは同級生の男子学生です。

このブログに書いている事が古くて現代の若者には全く付いてこれない話ですが、当時はコンビニなどは無く、携帯の魔法瓶も無く、家から水筒、弁当を持参しないと、途中で食べ物を手に入れることが出来ませんでした。

大菩薩峠の頂上に着いたものの、気が付いたら周りには人影も無く、辺りに残雪がかなりあり、二人ともものすごく寒いことに気が付きました。

腹が減っているので余計に寒さが身に応え、慌てて食事を摂る事にしました。

ところが、おにぎりを食べようと口に入れても、口以上に中に入って行きません。おにぎりが口の中で動かないのです…。

慌てて二人とも水筒の水と一緒に飲み込もうとした途端、今度は窒息しそうになり、思わずご米粒を吐き出してしまいました。

あまり寒いと、食事も喉を通らないとは知りませんでした。

震えながら腹を空かして、ホウホウの体で下山しました。

ハイキングコースの大菩薩峠で、しかも3月でもこのテイタラク。

意外に簡単に遭難するのだと分かりました。冬山に挑戦する方は、ユメユメ、山を甘く見ないで、シッカリと計画を立ててから挑戦して下さい。

本格的な冬山登山は想像以上に過酷な世界だと思います。

3千メートル級の山、それも極寒の冬に平気で登山している人を見ると、簡単そうに見えますが、トンデモナイ事で、頑強でしかも常に訓練している特別な人だからこそ達成出来る事がよく分かりました。

何事も見えないところでの努力が大切大切。歯科でも勿論、同じですよ。

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