All-on-4について

4本のインプラントで固定性入れ歯(取り外しの要らない入れ歯)を支える治療法を、All-on-4 (オール・オン・フォー)と言います。

歯医者さんのホームページを見ると本当に、この言葉が多用されています。まあ、わがブログでも初登場する訳ですが。

実際の臨床では、上顎部の骨質は下顎骨に比べて脆弱なので、上顎部においてはAll-on-6で行う場合も多いです。つまり6本のインプラントで固定性入れ歯を支える訳です。

All-on-4の主な利点は、少ないインプラント本数での治療法なので、骨造成等の負担を強いる手術を避け手術時間が短縮され、メインテナンスが比較的に楽であり、そして、患者さまの経済的な負担が軽減されることです。また骨質さえ良ければ、歯肉をメスで切り開かずに、コンピューター上で計画された位置に穴を開けるだけでインプラントを埋入し(フラップレス手術です。CT画像と専用画像処理ソフトウェアが必須)、更には、植えたその日から固定性の入れ歯を装着することが可能です(即時負荷)。

一方、主な欠点は4本のインプラントのうち、1本でも欠損すると入れ歯の維持が難しくなること、また多くの症例で第一大臼歯までの、いわゆる短縮歯列になってしまうことです。

写真のCT画像は、両側上顎洞を避け、その間に4本のインプラントを埋入したものです。この患者さまは、ご高齢で骨質が脆弱であったことと、カウンセリングにより第二大臼歯まである入れ歯でシッカリ噛みたい、とのご希望で、4本のインプラントで支える取り外しの効く入れ歯としました。取り外しの効く入れ歯は、床での支えも加わるので、インプラントだけで支える固定性の入れ歯より、インプラントの負担が少なくなりますし、床だけで支える普通の総入れ歯に比べて、床も格段に小さくなるので違和感は少ないです。

日本人は大体、お米を主食とする穀物食がメインなので、第二大臼歯まである入れ歯を望む人が多いです。大臼歯は文字通りに、臼の歯で、“すりつぶし”が役目ですから。

all on 4 frontal

 

 

 

 

all on 4 occlusal

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