CTの有用性について2
CTでの診査・診断はインプラント治療のみならず、歯内療法、歯周病、親知らずに対しても有用です。
今回は歯根の先の骨の吸収をCTにて診断した症例を紹介します。
患者さんは以前から金属冠ををかぶせてある奥歯が痛んだり違和感があり、他院にて2次元写真を撮影したり診査をしましたが、確実な診断はつかず、経過を観察しましょうと言われていました。
症状がいっこうに改善せず、抜歯しないと治らないと言われ、当院に来院されました。
初めは2次元写真を撮り、診査をしてみるも、動揺や歯肉の腫脹なども見られず、確定診断がつきませんでした。
そこでCTを撮影してみました。すると手前の歯根の先に大きな骨の吸収がみられました。
上の奥歯は歯根が主に3本あるため、2次元写真だと骨の吸収が歯根に重なってしまうため、診断がつかないことがあります。
今回の症例では3本の歯根の内の1本はしっかりしていたため、歯の動揺もありませんでした。
ただ、手前の歯根の先の骨の吸収は上顎洞(副鼻腔)に近いところまで進行しているため、早期に治療をしなければ、病巣が上顎洞まで繋がってしまったかもしれませんでした。
抜歯をし、病巣をきれいに取り除き、骨を再生する処置を行いました。傷が治ってきたら、インプラントを埋入する予定です。