院長の独り言 317 ; バブル狂想曲、退職金がパァ~

思い出してみると、昭和60年から平成元年頃までが、バブルの絶頂期だったと思います。
昭和47 年の暮に八王子市で歯科医院を開業して、6年目の昭和53年。
念願の府中カントリー倶楽部に入会する事が出来ました。
ゴルフの腕は恥ずかしいくらい下手ですが、友達に誘われたのを切っ掛けに、健康を思い、入会した次第です。
ゴルフ仲間は、ビギナーの小生に、全く厭な顔もせずに、付き合って呉れました。
お金の話で恐縮ですが、当時、会員権や入会金、その他の経費などで、確か総額900万円を支払いました。
いくら身体の為だとは云え、借金を抱えていたので、趣味に大金を出費するのですから、会員権を買う時は、家内から、嫌みのひとつぐらいは覚悟していました。
ところが、すんなりと『良かったね~』と家内が言って呉れたので、内心ホッとしたのです。
この会員権を買った半年前ぐらいから、我が国の景気がウナギ登りの右肩上がりで、それにつられて買った会員権もドンドン値上がりし出したのです。
アレヨ、アレヨと思っている間に、倍々ゲームのように会員権が値上がりしていったのです。
昭和62年頃には、とうとう1億円を超えてしまいました。
本当の話ですよ。
友達に薦められて買ったくせに、さも自分で買ったように、周りのみんなに自慢タラタラでした。
国家公務員出身の私にとっては、1億円などの大金は『想定外』の値です。
おまけに、開業したてだったので、想像を遥かに超える金額でした。
バブルの絶頂期には、会員権の仲介業者から『1億8千萬円でどうか?』と声が掛かったのです。
ここから後の話は、皆さんの想像通りに展開してしまいました…。
自分としては、ゴルフをプレーしている間は、どんなに値上がりしても、会員権を手放すつもりはありませんでした。
プレーが出来なくなったら、退職金代わりにしようと思っていたのです。
何しろ、億のお金ですよ。
ところが、平成2年頃から、何となく雲行きが怪しくなってきたのです。
世の中の景気が、です。
私は株を持っていませんでしたが、新聞やテレビで株の暴落を報じていました。
当然ですが、ゴルフの会員権の値も、坂道を転げ落ちていったのです。
あっと言う間に、退職金代わりの『一億円』は、パッと消えてしまいました。
現在の会員権、900万円で手に入れた会員権は、いくらになっていると思いますか、皆さん。
『300万円』です…。
豊臣秀吉ではないですが、『浪速のことは 夢のまた夢』と言った状態になりました。
そうそう上手い話は、この世の中には存在しないと云うのを、身を持って実感しました。

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