院長の独り言 292 ; アワビはやっぱり刺身でしょう

先日、ゴルフが終わった後に、大学時代の友人4人と一杯飲みながら、『俺たち、長生きしたお陰で、随分、色々な料理を楽しんできたけど、どの国の料理が一番、美味しかった?』となったのです。
敗戦で、成長期には、美味しい食べ物どころか、満腹になるのは稀であった4人。
食べ物に関しては、特に貪欲(どんよく)です。
喧々諤々、口角に泡を飛ばしながら、いい歳をしたオッサン達が、いつものゴルフ談議そっち除けで、『あれが美味しかった。これが口に合わなかった』と料理の話に夢中になったのです。
皆、社会人になってから以後、日本各地は勿論、外国にも、学会や旅行で随分と旅行しています。
我が国の類(たぐい)まれな経済成長の恩恵を受けて、様々な美味を楽しむ事が出来ました。
夢中で話しているうちに、異国の料理に共通しているのは、グツグツと煮込んだり、油で揚げたりする、熱を通したものが主流で、『折角の素材が勿体ない!』となったのです。
中華料理屋で立派なアワビが、干しアワビにされて煮込みで出てくると、ガッカリします。
『冷酒と一緒に、刺身にして食べたいなぁ~』なんて…。
日本でも火を通した料理を勿論、食べますが、外国と違い、われわれ日本人は刺身や寿司のような生(なま)の料理をよく食べます。
小生、外国旅行に行って、脂っこい料理が続くと、一番、恋しくなる料理は、やはり胃袋に優しい刺身や寿司、蕎麦(そば)やうどん、そして、白いご飯と味噌汁の和食です。
ところが、刺身のような生ものは、少し古くなると、生臭さが増してくるものです。
それを口にすると、しばらく生ものは食べたくなくなってしまいます…。
小生、大好きだった生の鳥貝を食べて、大当たりしてしまい、酷(ひど)い目にあった事がありました。
それ以来、鳥貝は見るのも嫌になってしまったのです。
東京は海が直ぐ近くなので、新鮮な魚介類が簡単に手に入り、私などは幼い頃から、生の魚や貝を食べ慣れていましたが、それでも鳥貝に当たってしまいました。
刺身は新鮮でなければ本当に駄目ですね。
東京のデパートで買った鳥貝でも当たったくらいですから、それ以来、外国では生の料理は口にしないように注意しています。
日本で、生の料理を多く食べるようになった理由は、冷凍技術の進歩も確かですが、国中、海に囲まれていると云う特殊な環境なので、海産物は豊富に獲れるし、保存剤として、塩が自前で、大量に調達出来たからでしょう。
特に調味料として、日本独特の醤油とワサビが発明された事も、生ものが沢山食べられるようになった大きな理由だと思うのです。
醤油とワサビが無かったら、こんなに日常的に、魚介類を生で食べるのは考えられません。
料理をあっさり味にするソイソース(醤油)は、世界のどの国の食堂にも置かれている調味料となりました。
交通機関や冷凍技術の発達した現在、日本だけでなく、世界中の何処へでも、新鮮なマグロやカツオを運ぶ事が出来る時代です。
その結果、最近は、寿司と醤油がセットで、世界中に輸出されています
スペインを訪れた際、マドリードで『Sushi』の看板が、大きく出ていたのを思い出します。
小さい頃から生の魚介類を食べ慣れていない外国人でさえも、寿司の虜(とりこ)になる世の中です。
本音で言えば、この生で食べる魚や貝の美味しさを、私は外国の人にはあまり知られたくないと思うのです。
あまり人気が出てくると、美味しい刺身やお寿司が、小生の口に入らなくなるか、心配だからです。
特に、美味しいものに目がない中国人が、寿司の魅力に気付いてしまうのが心配です。
日本には世界一の養殖技術があり、450万k㎡に及ぶ膨大な経済水域を保有しているので、たとえ天然の魚介類が少なくなり、手に入りにくくなったとしても、世界中の魚介類好きの口を賄(まかな)えるだけの量を、我が国では、養殖出来るでしょう。
結局、4人の料理に関する馬鹿話は、どこの国の料理も甲乙つけ難し、大変美味しいという平凡な結論でお開きと相成りました。
ワーワー言い合って、時間の無駄(?)でしたか…。

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