院長の独り言 283 ; パソコンの進化は、人間性の変化に繋がるのか?

今、書斎の机の上に置いてある、愛用のWindows PC(通称;パソコン)に、ブログ『院長の独り言』を打ち込んでいます。
使用ワープロソフトは、Microsoft社のOffice Wordです。
職場にあるのは、Apple社のiMacですから、Pagesというソフトを使用します。
パソコンは所謂、個人向けの電子計算機(パーソナルコンピューター)ですが、この機械が無いと、仕事は捗りません。
仕事以外にも、自分の生活を皆さんと同様、かなりの時間、パソコンの前で過ごしています。
最近は、Apple社からiPadというタブレット型PCが出現したので、ソファーに寝転びながらのネットサーフィンです。
小生が大学院生の頃、臨床統計の仕事で標準偏差や平均値などを計算するために、初めて、本格的な電子計算機なるものを使う事になったのです。
当時は現在のパソコンと違い、電子計算機は複雑な計算をする為にのみ、使用していました。
それしか使い道が無かったのです。
この電子計算機、最初、目にした時は、あまりにも大きい機械なので、先ずはビックリして圧倒されてしまいました。
大袈裟でなく、8畳の部屋に目一杯、陣取って鎮座していたのです。
何だか訳の解らない電気部品が連なっていて、それが大量のコードで結ばれていました。
半導体など無い時代です。
この大きな電子計算機一台が、研究室の一室に備え付けてあったのです。
基礎の研究室(病理学、解剖学、生理学、細菌学、薬理学など)から臨床の研究室(保存学、補綴学、口腔外科学など)まで、全ての教室が、この大きな電子計算機を順繰りに使用していました。
現在のパソコンは、有意差の検定など、立ち所に答えを出して呉れます。
ところが、当時の電子計算機は、図体が大きいのですが、統計の資料などを入力すると、答えが出て来るまで、大変な時間が掛かります。
複雑な計算を頼むと、ゴトゴトと音がしたかと思うと、急に静まり返ったり、またゴトゴトと動き出したりして、如何にも難しい計算を考え考え答えを出していると云った風情で、非常に人間的なのです。
如何にも人が頭をひねって苦闘して計算しているようで、ユーモラスです。
現在のパソコンは余りにも完璧で、人間味がありませんね。
電子計算機は信じられないほど、便利に進化して、小型軽量化してしまったと云う訳です。
ハードの進化は、半導体の高機能、小型化に依るものいって良いでしょう。
また、ハードの性能が向上するにつれ、プログラム(ソフト)も進化しました。
ワープロ、インターネット、電子メール、その他業務用や娯楽用ソフト、ゲームなど、広範囲に利用できる事は皆さんご存知の通りです。
インターネットのコンテンツが、1990年中頃から充実してきて、現在はまさしく、一人一台の、パソコンの時代になってしまいました。
単純に纏(まと)めてみると、(計算のみ)→(電卓、ワープロの基本ソフトの出現)→(インターネットやアニメーションなど、高度な作業を行なうハードとソフトの発展)と言う事になります。
50年ほど前の、あの図体のデカかった電子計算機が、小さな電卓に進歩して、そこから究極の小型パソコンに進化したのですが、それを余りにも短期間で成し遂げてしまったのには驚きです。
現在、我が家のリビングには、初代iPadとiPad2があり、当院の待合室にも、iPadが2台あります。
過去の症例写真などを示しながら、より視覚的に、分かりやすく患者さんに治療方針を説明できますし、待ち時間の余暇にもなります。
このように便利なデジタル機器を、幼い頃から、日常生活で使用すると、コミュニケーションの質はどのように変化するのか、興味津々です。
小生は、コミュニケーションが即物的にならないか、心配しています。

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