院長の独り言 191 ; 桜に次いで、今回は梅について
前回のブログに続いて花の話と言っては何ですが、今回は梅について、ヒトクサリ。
梅も桜と同じで、バラ科の植物です。
未だ花ひとつ見ることの出来ない寒い冬に、マンサクの花と梅の花は競って咲き始め、いよいよ春の到来を感じさせてくれます。
マンサクの黄色い花も素敵ですが、梅の花のピンク色も、心を和ませてくれます。
梅はむかし、遣隋使や遣唐使が我が国に持ちこんだ植物です。
白梅と紅梅が有りますが、奈良時代までは白梅が万葉集などで主に詠われていましたが、平安時代になると紅梅の方が多く詠まれています。
多分、白よりピンクの花の方が見栄えがして、人気が出て来たのでしょう。
しかし、実がなる白梅は、イザという時の非常食になると云う事で、武士の時代になると梅干し目当てで、各藩が梅干し作りを奨励した結果、武士が梅林を作りだしたのです。
有名な梅林は、皆さんご存知であるように、水戸偕楽園の梅林です。
また梅の和歌と言えば、菅原道真が有名です。
我が母校の直ぐそばに、道真を祀っている湯島天神があります。
受験の神様として良く知られているので、受験生やその親御さんがお参りに来ていますが、神社内に小さい梅林が存在し、2月になると、今でも美しく可憐な梅の花を咲かせています。
『東風(こち)吹かば にほいおこせよ梅の花 あるじなしとて 春は忘れそ』と梅を詠っているのは有名です。
桜は自衛隊や警察官の階級章に使われていますが、一方、梅は県花とされている場合が多く、興味深いですね。
例えば、菅原道真を祀っている大宰府天満宮のある福岡県の県花ですし、梅干しが名産の和歌山県も梅が県花です。
何はともあれ、四季がハッキリしている、わが国日本は春夏秋冬、どの季節においても特徴的な綺麗な花を観る事が出来、これは世界でも稀に見る素晴らしい国なのです。
こんな素晴らしい国を、子供達にキチンと引き継いでいく義務が、われわれ日本人の大人にはあると思うのです。
素晴らしい自然と世界に誇れる伝統文化を、シッカリと守って欲しいと、切に願っています。