院長の独り言 190 ; いよいよ桜の季節ですね
いよいよ桜の季節ですね。
毎年、あの桜吹雪が楽しみです。
今年、桜の開花が例年より早くなるのではないかと言われています。
春の花と言えば、殆どの日本人は『桜!』と答えるでしょう。
ところが、桜がバラ科に属すると指摘すると、『ヘー、知らなかった…』と驚くことでしょう。
我が国では春の花の中で、桜が一番、人気がある理由は『パッと咲き、パッと散る』という散り際が良いのが、日本人の心情にピタッと合っているからだと思います。
満開の時は、葉の緑色は全く見えず、見事な花で一杯です。
『あの山は 風をひいたか 花(鼻)だらけ』と云う馬鹿々々しい川柳がありますが、ひと山全体が桜の花で埋まっている風景は、日本のあちこちで見かける春の風物詩なのです。
そして、アッと云う間に花は吹雪のように散ってしまいます。
こんな刹那感を味あわせてくれるところが、桜を好きになる理由なのでしょう。
外国の軍隊の階級章はだいたい星型ですが、日本の自衛隊や警察の階級章としては桜の花が使用されています。
ところが江戸時代に、武家の家紋としては全くと云って良いほどに桜は使われていなかったそうです。
余りに散り際が良過ぎた事が、嫌われたと言われています。
何しろ武士は、いつ命を落とすのか分からないので、散り際が良すぎる桜の花は縁起が悪いという事ですね。
一方、遠い奈良時代は、花と言えば梅の花だったそうです。
勿論、奈良時代の歴史書『古事記』や『日本書紀』にも、桜は記されてはいます。
また日本最古の歌集『万葉集』にも桜は歌われていますが、当時は梅の方が人気で、花としては梅が多く詠われているのです。
桜が花の代表になったのは平安時代になってからのようです。
平安時代の西行法師が桜の花をこよなく愛していた事を、皆さん、ご存知の通りです。
やはり吉野の桜が美しすぎて、花の代表が梅から桜に変わったのでしょうか。
また、何故、『桜』と言うのでしょうか。
皆さんご存知の様に、桜は花の塊で咲いています。
満開の時は、葉っぱは有りません。
『桜』の『ら』は『等(ら)』、即ち『塊』と云う事です。
『さく』は『咲く』と云う事です。
合わせて『桜』です。
これは昔から言われている、ひとつの説です。
まだ色々な説があるそうですが、私は上記の説以外、知りません。
いよいよ、あとひと月もすると、満開の桜が当院の近くでも見る事が出来ます。
八王子には桜の名所があちこちにあるのです。
夜桜の下での宴会も、楽しみですね。