院長の独り言 189 ; 被災者全員の無事を信じています!

2月22日火曜日、いつも通りに午後6時頃、診療が終了し、医局にある自分の椅子に腰を下ろし、思わずホッとひと息。
テレビのスイッチを入れた途端、画面に倒壊したビルと逃げ惑う人々の映像が映っていました。
はじめは何処かの国で、また政変が起こったのかと思いました。
今、アフリカや中東の国々は独裁政権打倒へ向けて大荒れなので、直ぐ、それが閃(ひらめ)いたのです。
ところが、ニュージーランドで大地震が起きたようです。
政変だと思ったのは、完全に見当違いでした。
実を言うと小生、地震には敏感なのです。
大分前のブログにも書きましたが、戦争の末期に、疎開していた岐阜県中津川市で大きな断層地震に遭遇し、死ぬかと思ったくらいの縦揺れに驚かされた経験が有るのです。
それ以来、強度の地震恐怖症になってしまいました…。
少しの地震でもドキドキします。
今でも時々、思い出すのは阪神大地震です。
勿論、震源地から遠く離れた東京では、揺れを全く感じませんでした。
あの日の朝も、何時ものように、起きると直ぐテレビを見たのです。
すると岐阜地方で強い地震があったと、アナウンサーが言っていました。
暫くしてから、岐阜を訂正して京都でかなり大きな地震が発生したとの事でした。
テレビのアナウンサーが、何時もの調子で地震の報道を淡々と放送していたのです。
日本は地震大国、しかもアナウンサーの話し方から想像して『大した地震ではないな…』くらいに思っていました。
午前中、忙しく診療していたので、地震の事はスッカリ忘れていたのです。
ところが午前の診療を終えて、医局に戻ってテレビを付けると、何やら大きな街全体が大火災のようです。
何事が起こったのかと聞き耳を立て、テレビ画面を凝視。
そして神戸の街が、地震で壊滅的なダメージを受けた事を知ったのです。
朝のニュースでは、岐阜とか京都とか放送していたのに、あんなに大きな地震、しかも神戸が被災地の中心だとは、本当にびっくりした事を思い出します。
黙祷。
今回、日本ではなく、遠方の国の大地震ですが、日本人の被害者もかなり出ていると新聞やテレビで報道されています。
何故、遠く離れた南半球のニュージーランドで、日本人の若者が沢山、被害に遭っているのか、古い日本人である小生には不思議ですが、それだけ世界が狭くなってきているのでしょうか。
被害者全員の無事を祈って止みません…。
歯科の世界では、日本で発明された根管長測定器(所謂、痛くなった歯の神経を正確に除去する為には、絶対必要な器具)が現在、ヨーロッパ、アジア、アメリカの世界中のあらゆる歯科医院で使われています。
私が歯科医に成り立ての頃は、この器具は日本の極く僅かな歯科医院だけでしか使われていなかったのです。
それが、今では世界中で使われています。
本当にビックリするほど、世界は狭くなりましたね。
ニュージーランドの環境が良いとなれば、隣町に出掛けるような感じで行く事が出来ます。
素晴らしい器具が発明されれば、たちどころに世界中に伝わります。
ところで、この根管長測定器は、我が恩師、鈴木賢策教授と砂田今男教授が共同で発明開発した、今や歯科治療に無くてはならない器具です。
痛くなった歯を抜かないで、正確に治療出来、歯を保存できるのは、この器具に頼る事、大なのです。
患者さんにとっても、歯科医にとっても、この器具の恩恵は計り知れません。
われわれ保存科の弟子達にとって、この器具を発明した2人の教授は、心からの誇りです。
誇張ではなく、この器具の発明は日本の誇りです。
この根管長測定器のお陰で、世界中の虫歯を抜く事無く、正確に治療でき、飛躍的に保存出来る様になったからです。
特許を取っていれば、2人の恩師は今頃、大金持ちになっていた事でしょうが、彼らはそれをしませんでした。
いかにも日本人ですね。

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