院長の独り言 36 ; ひとを思いやる心は、まず礼節を守る心から生まれる

冬季オリンピックがカナダのバンクーバーで華やかに開幕しました。

日本のある選手が服装の乱れや態度の悪さで、日本は勿論、地元メデイアからも顰蹙をかっています。

私は古い人間ですから、学校で道徳教育も受けましたし、特に両親から他人に対する礼節や人前での態度で、周囲の人達に不快感を与えないように、耳にタコが出来るほど聞かされていました。

当然、私の医院でも、医局員、衛生士、そして受付の人に対し、患者さんに失礼のなく接するよう、常日頃の医局会で話しています。

こちらが礼に失しない態度で接すれば、患者さんだけではなく、業者さんでも誰でもこちらに合わせてキッチリと応対して貰えます。

そこに僅かな緊張感を含んだ素晴らしい関係が生まれてくるのだと思います。

最近は、初対面から『気さくな態度が良い』とか『フランクな会話の方が良い』とか、礼を失する態度を、さも物判りが良いと云わんばかりに得意気に話しているコメンテイターの人をテレビで観ますが、本当にそうなのでしょうか。

かなり付き合いが進み、気心がお互いに判り合ってから、フランクな言葉で話し合うのは良いでしょう。

しかしあの選手のように、TPOを弁えない場合は当然、世間の非難を多く浴びる事になるのだと思います。

彼が全部悪いと云うのでは無く、まだ若いのだから、周りの大人が礼儀などは前もって注意すべきで、もっと云えば、小学校から当たり前の道徳教育を受けさせていないからで、文部省も日教組も今回のあちこちからのパッシングを、他人事とだとは思わず、また一個人の問題とせず、最小限の道徳教育を義務教育の中で取り入れるように真剣に考えて貰いたいものです。

そして、われわれ子供を持っている親も、人に不快感を持たせないくらいの礼儀は次の世代に教育し、日本人の良い伝統として残そうではありませんか。

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