院長の独り言 31 ; 昨日の自分と今日の自分は違う

ある日、地球の回転が突然止まったら、世界中の人間は勿論、全ての生物や建造物や岩石なども、跡形なく宇宙に飛んで行ってしまうでしょう。

電車に乗っても飛行機に乗っても、動き出す時は重力Gが掛かり、つんのめったり、ひどい時は転びますが、安定速度になれば走っているのか飛んでいるのか分らなくなります。

そして止まる時にはかなりの抵抗を感じ、自分は動いている乗物に乗っていたのだと感じるのです。

我々は意識していませんが、地球が24時間で1周する(自転)と云う事は、ジェット機より全然早い乗り物に乗っているのと同じ事ですから、一瞬で止まったら大変です。

しかし、そんな事は現実には起こり得ない杞憂なのですから、全くの心配無用です。

例えば、空気のように存在して当たり前、無くなった時には初めてショックを受けるのでしょうけど、地球が24時間かけて自転しながらが太陽の周りを365日で周り(公転)、そして、銀河系の一員として、宇宙の果てに向かって、凄いスピードですっ飛んでいるなんて意識して生活している人などいませんし、また、する必要も有りません。

実際は、我々が今いる場所には一瞬たりとも留まっている事は無いわけで、翌日にはとんでもない程離れた所に、地球という乗り物に乗って移動してしまっているのです。

人の身体も刻一刻と変化していて、見た目は同じようでも、細胞レベルで観れば、一日前の自分と今現在の自分は違うのです。

話は変わりますが、歯周病に侵されて「これは抜歯ですよ」と言われて急に歯が無くなった場合(小生は歯医者ですので)、患者さんは本当に意気消沈します。

毎日の生活ですから、これは意識せざるを得ませんし、受け入れなければいけない身体の変化です。

今まで歯が無くなるなんて意識もしていなかったのですから、患者さんは義歯しか無いのだと自ら決めつけて「俺も歳を取ったものだなぁ~」とか「硬いものは好きだけど、これからはあまり食べられなくなるなぁ~」と嘆き節になってしまいます。

でも10年前と違い、インプラント治療があるので心配無用です。自分の歯と同じように食事が出来るのですから。

勿論、そうなるには手術をし、美味く食事が出来るにはしばらく(約2ヶ月間~半年間)は待たなければなりません。

ブログにも紹介しているように、場合によっては完成まで1年間かかる場合もあります。

その間、何とか辛抱して貰い、かなり長い期間、上手く噛めないでいるにも関わらず、患者さんは術者が必死に治療をしている事を理解してくれるのでしょう。

治療後、色々な物が噛めてくると、我々の気持ちを察してくれて、笑顔で「ご苦労さん」と感謝してくれます。

本当にホッとするやら嬉しいやらで、思わず一杯飲みたい気分になります。

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