院長の独り言 29 ; ほどほどの排他性が大人のお付き合い

一日一日と陽が長くなり、もう直ぐ春の到来を予感させます。

八王子では、ここ2、3日は朝晩はまだ寒く感じますが、日中は結構過ごし易くなって来ました。

ところが医局の先輩で長く懇意である、富山県で歯科医院を開業しているK先生によると、日本海側は今年は特に大雪で、非常に寒いそうです。

日本は随分広い国だなぁ~と嬉しく思います。

わが国は四季があり、景色が刻々と変化して、一年中、自然の豊かさを堪能出来る世界でも稀な国です。

地方によって独特な気候、そして山、川、海と様々に変化に富んだ地形が、その豊かさを何倍にも増幅させてくれます。

この素晴らしい自然の財産や長く続いてきた独特の伝統を、未来のわれわれの子供達のためにも、『何としてでも残したい…』と心の底から強く感じているのは私だけでしょうか。

貴重な国民の財産は、われわれ国民が皆で意識して、大切にしようと思わないと消滅して行く事になります。

勿論、自分達の国ですから、われわれは当然、その為に無意識のうちに努力し行動していますが、外国の人に同じようにしてくれと言っても無理でしょう。

前にもブログで書いたように、自分たちで自分の国を守る事を怠ると、カルタゴのように、結局は日本らしさが消えていく事になります。

わが国の自然の豊かさと先人の作った神社やお寺、仏像などの人工物が、微妙に調和した景色は本当に美しいもので、特に外国に行くと、一層、祖国の素晴らしさが際立ち、その保存の大切さを痛感させられます。

外国の人達もそう云う独特な日本だからこそ、その価値を認めているのです。

どこかの首相が「日本の国は日本人だけのものじゃない」などと、軽率な発言をしているのを聞くと、まったく腹が立ちます。

この様な考え方で物事を進めていけば、結局、その国の独創性は徐々に、無くなってしまうでしょう。

『細かいことに目くじらを立てて…』とか『大した事じゃない』と云う人もいるでしょうが、昔からの格言にもあるように、極く小さな綻びが取り返しの付かない大事に繋がると云うじゃないですか。

初めのうちは何の変化が無くても、5年10年経って気がついた時には、日本が日本じゃ無くなっている可能性もあると考えられます。あとで「しまった!あの時選択さえ間違わなければ…」と思っても、文字通り、あとの祭りです。

他の国の首相が同じような事を発言したら、即刻、首相の首が飛ぶのではないでしょうか。

全ての国には、それぞれ独特の風土と文化が有り、それぞれの国の人々が、一生懸命、それに誇りを感じ、守っていく事こそ大切なのですから。

政治思想においても、その国独自の社会主義の国が有り、ある国では貪欲そのものの資本主義の国が出来上がる。そのように、色々な国が有るから、世界は面白いのではないですか。

みんな同類化する程つまらないものは有りません。国同士仲良くするのは当たり前で、それを踏まえて、それぞれの国々が程々の排他性を持ち、それを認め合うのが大人の付き合いと云うものです。

外国の人の意見を、節度無く、無批判に受け入れていたら、日本では無くなるのと違いますか。

賢明な外国の方は、そのような愚かな事は、自分の国では絶対拒否するでしょう。

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