院長の独り言 444 : 戦後の日本について雑感

戦争前は住んでいた所が東京の下町と云うこともあってか、父の休日には玩具やお菓子の買い物で銀座によく連れて行って貰いました。

いま話題の築地にも正月の買い出しに出かけていました。

戦前の東京を幼いながら眺めると、非常に発展して賑やかな街々でした。

皆さんが想像しているより当時の日本は豊かだったような気がします。

ところが、戦争に負けた後の東京は本当に惨めなものでした。

疎開から帰ってきて見た東京…。

戦前の東京を知っているので、その違いに、そしてあまりにも酷い惨状に子供ながら唖然としたものです。

銀座一帯は無惨なほどの倒壊したビル群で、焼け野原になっていました。

浮浪者も沢山いて、現在、テレビで見る焼けだされた中東の姿そのものです。

戦争に負けるという事は、本当に大変なんだ!と心の底から感じたのは、当時の日本人全てだったでしょう。

現在の60歳以上の人は、男女を問わず戦争アレルギー、戦争恐怖症になっている筈です。

当時は今のように十分な食事も摂れず、勿論、お米も口に入らなかったのです。

洋服も使い古しの惨めなものでした。

甘いお菓子も皆無だったせいか、幸いと云うか、虫歯が有りません。

自分の現在の仕事は、皮肉にも歯科医です。

よもや、日本が現在のように繁栄するとは夢にも当時は思っていませんでした。

勿論、戦争は悪です。

しかし、何時何処から攻めてこられるかは分かりません。

攻められてきた時は、常に防げるように準備が必要だと、あの戦争に負けた後の惨めさ、辛さを経験した一人として心から感じています。

子供たちや孫たち、そして未来の子孫の為にも、政府の人達に『国の防御をしっかりするように』と心からお願いします。

こんな素晴らしい我が国から戦争を仕掛けることはまず有り得ません。

万が一、戦争を仕掛けられた時に、泣かないように準備を慢わりなく宜しく!