院長の独り言 424 ;本当のうなぎ
最近、ウナ丼が高級品になってしまいましたが、自分が小学生の頃は高級食品と云うよりは、庶民的な丼物でした。
天丼の方がウナ丼よりも高かったと記憶しています。
ところが、仲の良い先輩の話によると『君は安いウナギを食べていたんだよ』とのご託宣。
続けて、『君は高級なウナギを食べたことがないな』ときたのです。
本当の高級ウナギは柔らかくて、とげの様な骨も無く、味がよく、それはそれは美味しいものだとのこと。
私の食べていたウナギは美味しいウナギだと思っていたのですが、何か先輩に馬鹿にされた気分になったのです。
『そんなことを言うなら、その高級ウナギとやらをおごって下さいよ!』と私。
『よし、おごってやろう!』と、売り言葉に買い言葉にあいなったのでした。
約束した日曜日に東京銀座の老舗の鰻屋に招待を受けました。
風格のある門構えで、如何にも老舗のお店でした。
わざと他の物を食べずに、ウナ重だけを頂きましたが、確かに今まで食べたウナギより、悔しいけれど、ひと味もふた味も美味しく感じたのです。
私は元来、お人好しなので、先輩の自慢げの顔を見上げながら『うまい!』と、つい本音をだしてしまったのです。
先輩のその時の誇らしげな顔が今でも忘れることが出来ません。
たかだか食べ物の話と言ってしまえば何ですが、本当に先輩に悔しい思いをした訳です。
昨今の報道によると、そのニホンウナギが少なくなってきたそうです。
マグロもダメ、ウナギもダメ…
一体、われわれ魚の好きな国民はどうしたらよいのでしょうか。
ところが、つい最近、嬉しい事に、近畿大学でマグロの養殖に成功したそうです。
マグロの刺身や寿司はオッケー、オッケー!本当に嬉しいですね。
ついでに、私の好きなウナギも、是非、是非、日本のどこかの大学で、養殖を成功させて下さい!
宜しくお願いしたいものです。