院長の独り言7; 歯科治療法の変遷に感無量する

今から四十年ほど前、エアタービン(30~40万回転/分もの高速回転で弱いトルクでも歯を効率よく削る)の出現で、歯の切削時間が大幅に短縮されて初めて、なるべく歯を保存しようという事になってきた訳です。

それまでは、患者さんも痛くなった歯を、エンジン(回転数が最大1万回転/分程度でトルクが大きく、歯を削る振動が大きい)で長い時間削られてる苦痛より、早く抜歯してしまって義歯で良いという要望が強く、痛くなつた歯は抜いて義歯ということが、患者さんも術者サイドも、両者暗黙の了解でした。

義歯はよく咬めないし、違和感が強いので、本当はお勧めではないですが…。

患者さんの本当の気持ちは、何とか歯を保存してほしかったに違いないのです。

切削技術が格段の進歩を遂げて、痛くなった歯を神経処置をして保存という時代を迎えたのですが、今度は新たな問題が発生してきました。

それは、神経を抜いた(抜髄した)歯は非常に折れやすく、脆くなるという事です。

歯は生きていますから、神経を抜いてしまうと血流が途絶え死んでしまい、虫歯や歯周病に対して、抵抗力が落ちてしまうのです。

欧米などではそれぞれのお国柄もあって、神経を抜いた、折れそうな小臼歯などは、四十年前と違った意味で抜歯して、インプラントを埋めるといった時代になっています。

歯科治療の変遷をあらためて考えると、今は感無量といったところです。

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