院長の独り言 236 ; 原子力発電に想定外は許されない…

二泊三日の京都小旅行を無事に終えて、我が家に帰ってみると、原子力発電を存続すべきか、廃止すべきかを、メディア等で盛んに論議しています。
廃止派の意見は、『我が国は地震多発地帯に在り、東日本大震災の時のように、自然災害が何処で起きても、不思議ではない。福島原発のように、事故が起きてからでは手の打ち様が無くなってしまう。所詮、原発は我が国には不向きである!』と云う事です。
一方、存続派は、『現在の我が国の電力事情を冷静に考えれば、原発を無くしてしまう事は無理である。既存の原発を、今まで以上に整備して、慎重に活用すれば良いのではないか!』です。
ところで、黒澤明監督の『夢』と云う映画を、皆さん、御覧になった事がありますか?
富士山が写っているので、多分、浜岡原発が爆発したのを想定しているのでしょうが、富士山の後ろで原子力発電所が大爆発している、恐ろしいシーンがあります。
監督は自分の見た『夢』として、絶対、安全といわれていた原発の事故を予言していたのですから、その洞察力は大変なものです。
今回、不幸にして、福島原発が事故を起こしてしまい、正夢になってしまった形です。
浜岡原発はしばらく機能しないようですが、現在、想定外の自然災害に遭うと、冷却電源が喪失してしまう原発が、日本のアチコチにあるとメディアで報道されています。
特に、インターネットの記事によると、福井県敦賀市にある高速増殖炉『もんじゅ』は今、非常に不安定な状態にあるとの事です。
『もんじゅ』の名前は文殊菩薩から由来しています。
『三人寄れば 文殊の知恵』の文殊です。
1991年に性能試験開始、夢の原子力発電所としてスタートしたのですが、4年後の1995年12月に早くも火災事故を起こしてしまいます。
2010年5月に運転を再開したものの、8月に、燃料棒の交換装置が落下してしまうという事故を起こしてしまい、いま現在も、燃料棒を取り出せない状態になっていて、事故を受けて運転を休止し、現在に至るとの事です。
このもんじゅは、広島や長崎に投下された原爆の何百倍もの規模といわれ、もし想定外の自然災害により核爆発でもしたら、日本はおろか、中国大陸や朝鮮半島にも甚大な被害を及ぼすようです。
一刻も早い、機能の回復を願うしかありません…。
原子力発電の最大の短所は、一度、放射能漏れ事故や核暴走を起こしてしまうと、何十年もの間、汚染された土地を生み出す危険性があるのです。
福島においては、散らばってしまった放射性物質を、土に染み込んでしまう前に、表土と一緒に除去するようです。
特に、放射能の影響を受けやすい子供の通う学校や通学路は、処理を急がなければなりません。
随分、以前のブログに記載しましたが、筑波大学の教授が、『オーランチキトリュム』と云う、大量に石油を生み出す藻を発見したと、メディアで報道されていました。
日本でも、自前で生産可能な、この夢の様な電力資源について、果たして、現実可能な話なのか、違うのか、この際、その先生に詳しく説明を受けるべきではないでしょうか。
本当の話であれば、日本は救われるのですが。

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