院長の独り言 165 ; 歯の話、その他…

使わない身体の部分、例えば眼や手足は使わなければどんどん退行性変化を起こしてしまいます。

進化学からみても、長い間、洞窟や地中で生活していると、モグラやコウモリのある種のように、眼が無くなり見えなくなります。

今、われわれ人間は、身体の何処の部位を使わなくなってきているのでしょうか。

軟らかい物ばかり食べていると、将来、人類の歯も数が少なくなったり、歯の形が小さくなってしまうかも知れません。

縄文人の人骨を調査すると、まず現代人と比較して、背が低い事が挙げられます。

これは当然な事ですが、栄養状態が良くなかったからです。

当時は、食物を調達するのさえ困難だった事は、容易に想像出来ます。

また木の実など硬い食べ物も多く、顎や歯が丈夫でなければ生きていけなかったのでしょう。

現代人の様に、顎の形はスマートでは有りません。

顎骨が張っていてイカつい感じです。

事実、虫歯なんかは全くと言って良いほどに観察されません。

ところが江戸時代になると、顎骨を調べると歯周病が観察されるし、虫歯が認められるのです。

食生活が向上した事が関係しているのでしょう。

科学が発展し自動車や電車の存在により歩かなくなり、冗談ではなく、1万年あるいは10万年先の人類は、手足がかなりスマートと云うか細々しい人間になってしまいそうです。

そのうえ軟食の結果、顎も脆弱になってしまうのではないでしょうか。

口の中で言えば、今でも硬い物を殆ど食べなくなってきているので、1万年先と言わず、もっと早い時期に、親知らず(第三大臼歯)だけでなく、歯の数が減少してしまうだろうと言われています。

既に、その傾向は出ていて、親知らずや第二小臼歯の無い人が結構、存在するのです。

常に、使えばその部分は発達するし、使わなければ身体はどんどん衰えてしまいます。

怖いですね…。

閉話休題。

あらためて、新年明けまして、おめでとう御座います。

本年も宜しくお願い致します。

今年はウサギ年ですね。

そこで早速、ウサギについて、少し話してみたいと思います。

ウサギの前足が短く、後ろ足はそれに比べて長いのはご存知の通りです。

こう云う身体の構造をしていると云う事は、登り坂には強く、下り坂は不得意だと考えられます。

オオカミなど天敵の肉食動物は身体の構造上、下り坂より上り坂が苦手だったので、ウサギはその隙を突いて必死に登って逃げるので、あのような体型に成って行かざるを得なかったのでしょう(独断です)。

もし野ウサギを見つけたら、その時は下りの方に追い込んでいけば容易に捕まえる事が出来るのでは無いでしょうか。

登りの方に追いかければ簡単に逃げられてしまうでしょう。

ウサギに水を与えるのは禁物のように言われていますが、それは真っ赤なウソです。

水を多目に与えるべきで、少ないとウサギは早死にしてしまうでしょう。

そして、よく言われるのに、ウサギの数え方を一羽二羽と数えるのは、昔、動物を食べるのを禁止していたので、それを隠す為に一匹二匹と数えないで一羽二羽と鳥の様に数えていたと言われています。

ちなみに鳥は、四本足でなく二本足であり、仏教という宗教上、食べて良いとされたからです。

しかし、それも眉唾ものです。

ウサギほど繁殖力が強い動物はいないのです。

余り増えて、農産物を食い荒らして野菜や穀類に甚大な被害を出す為に、ウサギだけは暗黙の了解で摂って良かったと思われるのです。

一年中、子供を産む事が出来る哺乳類はウサギやネズミぐらいのものです。

繁殖期が一年中と云う事で、ウサギは昔の農家の人にとっては、天敵だったのです。

農産物の被害を少なくする為に駆除が大切だった事でしょう。

そして、動物性タンパク質を摂る為にも、格好の生き物だったのです。

何しろ、一杯の野兎が生息している訳ですから、簡単に一度に沢山捕獲出来るので『十羽ひとからげ』から『羽』と数える様になったと言われる程です。

皆さん、この説を信じますか。

最近のニュースによると、ウサギはペットとして大変な人気だそうです。

簡単に手に入らないくらいウサギが品薄?に成ってしまいました。

でも、繁殖力抜群のウサギの事ですから、多分、大丈夫でしょう。

それにウサギは、現在は食用と云うよりは、可愛いいペットとしての存在価値が認められているのですから、大切に保護される事、請け合いですし、ウサギ年ですからなおさら大切にされるでしょう。

今年は、石川歯科の患者さんが、そして日本中がウサギの様に、ぴょんぴょん跳ねて、飛躍の年に成るように心より念じています。

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