院長の独り言 352 ; プロペラ機でゆっくり行こう!

誰でも、仕事や旅行で、飛行機に乗る機会が増えてきましたね。
自分が飛行機に搭乗出来るなんて、中学生の私は思ってもいませんでした。
理由は、二つあって、一つは飛行機に乗れるほどのお金を稼げるようにはなれないと思っていた事が、第一の理由です。
何しろ、当時は飛行機の搭乗代がべらぼうに高額でした。
飛行機旅行なんか夢のまた夢でした。
その当時の我が国は、戦争でアメリカに原爆や焼夷弾などで国中滅茶苦茶にされてしまい、自動車にも乗れないのではないかと思えるほどの貧乏国家でした。
もう一つの理由は、今のように、こんなに飛行機が日本全国も世界中も飛び交う世の中になるなど、想像出来なかったからです。
今の先進国は、飛行機時代到来と言ったところです。
現在、飛行機はプロペラ機は少なく、ジャンボなどジェット機が主流です。
なんせ、皆さんご存知のように、ジェット機はスピードが全然違います。
私も一回だけ、プロペラ機に乗った事がありましたが、あとの搭乗は全てジェット機です。
戦後、初めての国産の飛行機と言うことで、話題沸騰のプロペラ機『YS11』に一度だけ乗った経験があるのです。
大学のクラス会を四国でやったのですが、その時に、羽田空港からYS11
に乗って高松に行きました。
正直、YS11に乗る前は、新幹線を利用して行こうと思っていました。
ジャンボ機などのジェット機は乗り心地も良いし、スピードも素晴らしいので、プロペラ機は衰退することは、間違いないと思っていたのです。
ところが実際に、YS11に乗ってみると、乗り心地は悪くありません。
プロペラ機は冷遇されているのか、搭乗場所は羽田空港の隅の方にあり、そこから、定時に離陸したYS11飛行機は、大都会東京を眼下に見下ろして雲の上に出て来たのですが、ジェット機から見る風景より、ダントツにプロペラ機からの眺めの方が素晴らしいのです。
YS11の機体はユックリと動くので、街並やビル街が、まるで美しい絵の具をぶちまけたように眼下に拡がっていたのです。
圧巻の眺めは、富士山の横を通過した時の眺めです。
丁度、目線が頂上の少し上のあたりでしたが、こんな直ぐそばから、富士山の雄大で神々しい姿を拝めたのは、後にも先にも経験していません。
例えれば、丁度、新幹線と在来線の窓から眺めた風景の違いです。
在来線は、ユックリと外の風景が流れて行くので、新幹線より風景の移り変わりが大いに楽しめます。
YS11のプロペラ機こそ、飛行機に乗ったと云う実感を、味わせてくれたのです!
国内だけでも、YS11のようなプロペラ機を沢山、飛ばして貰いたいものです。
YS11に乗った子供も大人も、これぞ飛行機と大喜びするに違いありません。

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.