院長の独り言 61 ; 今は懐かしい、プナラリアの再生実験
3月8日(日)午後9時、NHKスペシャルで再生治療に関して放送していました。
右手の人差し指だと思ったのですが、工作器具で上三分の一の部分を切り落とした男の人の話です。
確か豚の膀胱の皮を粉末状に加工して、その粉を指の切断面に塗っていました。
施術後、数か月後の映像が出ていましたが、爪までついて、物の見事に指が再生していました。
幹細胞が豚の膀胱から出来た粉末に引き寄せられた事によって、指が再生したとキャスターが説明していました。
間葉系幹細胞は身体の臓器や骨、筋肉、歯、皮膚など、あらゆる部分の素だそうで、その場に必要な臓器になるのです。
要は身体の部品を造るようなものです。
遠くない将来、病気や怪我で失った身体のあらゆる部分が、再生可能な時代が到来するようです。
本当に眉唾ではないみたいです…。
再生と云えば、小生と同年代の人は小学校の理科の時間で、水生生物プラナリアを使って再生実験をやったと思います。
頭が三角でナメクジみたいな、およそ2~3㎝の扁形動物です。
目が寄り目で、栄養の出入り口が一つで、つまり、口と肛門が一緒という魔か不思議な生き物です。
今は知りませんが、私が子供の頃はそこらじゅうの川にいました。
勿論、雌雄同体です。
このプラナリアの再生能力は尋常ではなく、身体を二つに切ると頭の方からは体幹と尻尾が出てきて、下半身の方からは頭部が再生してくるのです。
三つに切り刻むと、頭部からは体幹と尻尾が、真ん中の体幹の部分からは頭と尻尾が、尻尾からは頭と体幹が再生します。
切り刻んでも切り刻んでも、個体として再生してくるのです。
子供ながら、随分、便利な生き物が世の中には存在するものだと舌を巻いたものです。
今、医療の最先端技術として、脚光を浴びているのが再生治療です。
テレビを見ていて、プラナリアの再生能力を思い出し、あの素晴らしい再生力を、何とか我々人間に応用出来ないものかと、つい考えてしまいました。