NHKドラマ『坂の上の雲』が始まりました!
言わずと知れた司馬遼太郎先生の代表作です。過去、映像化されなかったのが不思議ですが、先生のご意向であるとの噂を聞きました。
私は高校時代に原作に触れましたが、大筋の話から逸れる余談が多く、読み飛ばした話が多かったのも事実です。
今から15年程前に、これも司馬先生の著作『明治という国家』を読み感動して、再度、『坂の上の雲』にチャレンジしたのですが、今度は余談が楽しくて読了するまでかなりの時間が掛かってしまいました。いまも時々、『跳ぶが如く』やエッセイなどの司馬作品を部分的に、余談を楽しむために読み返したりしています。
後に書かれた『昭和という国家』においては、司馬先生の個人的な体験による影響で、先生が苦しまれて書かれているのが察せられる、暗い時代の描写に評価が分かれているようですが(いわゆる“司馬史観”といわれているようです)、反転、『明治という国家』の明るい、楽天的な描写を楽しみました。
勿論、、『明治という国家』には明るいだけではなく、明治維新における賊軍である徳川幕府の悲劇も描かれます。
小栗上野介における維新の貢献者としての側面に大義の大切さを教わり、維新後に新政府内に入った勝海舟への嗜好を楽しみ、それらの批評者としての福澤諭吉の矜持を学びました。いずれも学校の授業では教えてもらえない、サムライ徳川幕府におけるグレート・ファーザーたちの存在でした。
今回のNHKドラマのエンドロールにおいても、原作が、『坂の上の雲』と『明治という国家』と記されていたので、両者で補強し合う若き明治日本の物語を楽しみたいと思います。
しかし、当時、南下政策を進める強国ロシアに立ち向かった明治の人々の気持ちを思うと、エンドロールの音楽と映像には、涙腺をヤラレてしまいますね~。しかも、その曲の題名が『stand alone』ですから。