院長の独り言 396 ; 悲しい浮き世
最近、親が子供を殺(あや)める事件が、後を絶ちません。
また、逆に子供の親殺しがテレビのニュースに流れてきます。
親子間の尊属殺人ほど、悲惨この上ない出来事は無いでしょう。
本当は子育てほど、楽しく生き甲斐を感じる行為は、他に無いのではないでしょうか。
視線を動物の世界に転じて見てみると、意外にも、親が子供を殺したり、食べてしまうことが、結構、あるのです。
オスの北極熊が、子供を襲って食べてしまう話は、比較的に知られています。
母熊は、子育ての時期、子供を自分の傍から片時も離さず、敵から子供を守ります。
その敵とは父親なのですから、仰天(ぎょうてん)してしまいます。
その他、ウサギ、ネズミ、ワニなど、親が子供を殺したり、食べてしまう動物は数え上げれば切りがありません。
金魚は卵を孵したら、直ぐ別の水槽に移してしまわないと、みんな食べてしまいます。
人間は、全く違うと思い勝ちですが、人間も動物ですから、恐ろしい本能を秘めているのかも知れません…。
本能と云うより、考える葦である人間だからこそ、良からぬ考えをしてしまうのでしょうか。
いま問題になっている苛(いじ)めは、本能のなせる業(わざ)とは異なります。
人間以外にも、動物園の猿山を見ていると、いじめ行動が観察出来る場合があります。
多分、サルも、知能がある程度高いから、いじめが出来るのでしょうか(もしかすると苛めではないのかも)。
意地悪をして、快感を感じるにはかなりの知能が必要です。
しかし、良かれと思って、トンデモナイ行動に出るのは、人間以外の他の動物には見ることが出来ません。
心理学的には人間、精神的に追いつめられると昨日(7月7日)の事件、祖母が孫2人を手に懸けたように、他に考える余裕が無くなってしまいます。
他人からみれば、冷静になれば、解決する他の良い手段を見つけれるのに…と、同情してしまうのです。
しかし、このおばあさんにしてみれば、孫の為には、殺すしか方法が無いほど切羽詰まった状態だったのでしょう。
このような気持ちになるのは、人間だけでしょう。
毎日のように、世界のあちこちで殺人事件が後を絶ちません。
みんな、他に手段が無いと思って、やっているのでしょうか?
この世の地獄は、われわれの身近にもあるのです…