院長の独り言 338 ; 酸素の濃度が少なくなっていますね…

歯科治療の代名詞みたいな物…。
例の『キィーン』と音がする歯を切削する、皆様おなじみの歯科用エアータービン。
そのお陰で、患者さんは、歯科治療の苦痛から、大幅に解放されたのです。
この事は、既にブログで紹介しています。
私が歯科医に成り立ての頃は、この革命的な歯を切削する器具は、まだありませんでした。
このエアータービンは、1分間に約30万回転するので、虫歯をアッと言う間に削る事ができます。
そして治療時間が短くて済むのです。
その当時、従来の切削機械は電気エンジンによるものでした。
回転数は、1分間に8千回程度でしたので、虫歯を治療するのに、嫌になるほど時間がかかってしまいます。
おまけに、麻酔薬も効きが悪いものでしたので、歯科治療は患者さんにとって苦痛すぎたのです。
空気の凄さは、圧縮する事により想像を超える力を発揮する事です。
この圧縮技術の素晴らしい進歩によって、歯科治療も楽になったのです。
そして、空気は我々にとって大変、身近な存在です。
その存在は目に見えないけれど、無ければ命が絶えてしまいます。
中学校の理科で習いますが、空気の成分は、窒素がおおよそ5分の4弱(79%)、酸素が5分の1(21%)、その他に、二酸化炭素などがほんの少し(0•1%)といったところです。
われわれ人間が普通に生きていく為には、酸素の量は20%以上必要だとされています。
江戸時代には空気中の酸素が24%ほどあったので、大変、快適だったと想像できます。
酸素の量が18%を切ると生きていくのに困難になります。
現在、われわれが息をして吸っている空気の中には、繰り返しますが、20%強の酸素が含まれています。
生きていくのに絶対に必要な酸素の量は18%ですから、今は、たった2%しか生きていく為に必要な酸素量の余裕がないと云う事です。
トンネルや井戸堀で酸欠事故が起き、信じられないくらい簡単に命を落としているのは、このような理由があるのです。
恐ろしい程にギリギリの酸素量で、人間をはじめ、様々な動物は生命を営んでいる事になるのです。
19%を切ると息苦しくなると言われています。
勿論、訓練次第で18%より数(2~3)パーセントは低くても、生きる事が出来るかも知れません。
エベレストは無理として、富士山程度の高さでは、過激に動かないで静かにしていれば、生活はある程度出来るのですから。
現在、我々は呑気に暮らしていますが、あんまり森の木々を無造作に伐採していると、近い将来、酸素入りのカプセルが必需品になるかも知れませんよ。

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