院長の独り言 328 ; 患者さんのIさんから頂いたドイツ製注射器

患者のIさんから、およそ100年前のドイツ製注射器を頂きました。
仕事柄、興味津々に、注射器を手に取って、上から下から斜めからと観察して、弄(いじ)くり回したのでした。
一番驚いたのは、この注射器が本当に頑丈に出来ていて、今すぐにでも使用出来そうな事です。
注入量が分かるように、目盛まで付いています。
精巧ですね。

現在のような注射筒に針を付けて使用する注射器が発明されたのは、西暦1850年頃とされています。
フランスの科学者が発明したそうです。
私が歯科医に成りたての頃、歯科麻酔用の注射針は、腕などに使う針より太い針を使用していました。
歯の根は、硬いアゴ骨に植わっているので、薬液をアゴ骨に浸み込ませなければ、麻酔が効かないからです。
皮下や筋肉注射に使うような針では、折れてしまいます。
先が太いので、針を刺した時は大変な痛みを感じます…。
昔、歯科が敬遠された理由は、この太い針に依るところ大なのです。
最近では、日本のメーカー(医療機器メーカーのテルモと岡野工業の共同開発)が、世界一細い針を開発しています。
直径0.2ミリと云う細さです。
勿論、歯科においても、この細い針が使用されていて、患者さんは殆ど痛みを感じません。
細いのに丈夫なので、折れる事もありません。
戦前の医療機器は、欧米からの輸入品の独壇場でしたが、現在、わが日本のメーカーが最先端を走っています。
報道では、日本をまるで斜陽国家のように扱っていますが、何処が駄目なのか教えて欲しいものです。
世界に誇る最先端技術は、まだまだ沢山、日本にあるのです。
威張ることはないですが、別に、へりくだる必要もないでしょう。
今の若者が、まるで駄目なような報道も多いですが、今の日本で、本当に悪いのは、大人ですよ。
言動が自虐的で、卑屈で、劣等感が強いです。
地に足の着いた、勇気あるリアリズムが必要です。
そうすれば、日本は大丈夫ですよ!

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