院長の独り言 178 ; 本当に今年の冬は寒いですな…
ここ一週間、日本列島は凍てつくような寒さです。
北海道は毎年の事ですが、日本海側の新潟、富山、石川、鳥取、島根県など、軒並み積雪の被害を受けていて、テレビの画面を見ていると同情しきりです。
今では差別的な表現とされメディアでは使用されなくなりましたが、私が小、中学校の頃は、本州の尾根を境に、表日本、裏日本と社会科の授業では教わっていました。
幼いながらに、実感として納得していたのです。
川端康成の『雪国』の冒頭では有りませんが、清水トンネルに入る前は、関東平野の晴天で雪のカケラも無い風景が、長いトンネルを出た途端、驚く程の雪景色。
小学校で習った社会科、日本地理の教科書にその対照的な写真が載っていました。
その写真から、『裏・表』の表現が本当にドンピシャで、古人の表現力に、単純に感心していました。
この頃は温暖化とやらで、雪の降る量が減って来て、今回の様な大雪は珍しいのではないでしょうか。
昭和30年代の私が子供であった頃は、東京でも、ひと冬に2~3度の大雪に見舞われて、友達と校庭に大きな雪だるまを作った記憶が有ります。
そして、降ってくる雪を掌に乗せて、マジマジと観察したものです。
雪の結晶はその時の気温だとか湿度などに深い関係が有るそうで、六角対称形では共通なのですが、皆さんご存知のように、形は千差万別です。
この雪の結晶を写真で見ると、本当に見事なもので、自然の力に驚くばかりで、ジッと暫し見惚れてしまいます。
雪を人工的に世界で初めて作って見せたのが、北海道大学の中谷博士だそうです。
氷では無いですぞ。
世界中の雪博士が出来なかった人工雪を初めて作り、雪の結晶と温度の関係を中谷博士が見事に解明したのだそうです。
あんなに見事で二つと無い、六角形の雪の結晶が何故、出来るのかを解明したのです。
雪も見ているだけなら、ロマンチックな気分にさせられますが、実際降られてみると、こんな厄介な白物(代物)はありません。
大雪の被害に遭われている皆さんには、重ねて同情しきりです…。
こちら八王子の少しぐらいの寒さで『寒い!寒い!』などと、弱音を吐いていては罰(バチ)が当たると云うものです。
実は2日前に、当院3階の診療室の暖房機が故障してしまい、患者さんに大迷惑をかけてしまいました。
よりによって、この冬一番の寒い日に故障とは、皮肉なものです。
早速、息子が八王子駅前の家電量販店に電気ストーブを3台、買いに行き、担いで持って帰り、グッタリしていました。
『患者さんが凍えた状態で、治療を受けさせたくないから…』と笑いながら息子は言っていました。
患者さん本位で動いている姿を見て、この診療所の患者さん達を将来、託す親としては、思わずホッとします。