院長の独り言 307 ; 口腔清掃の重要な冬場

口の中には、ざっと数千億もの細菌が存在します。
400種類を超えると細菌学者は述べています。
細菌の中には、色々な感染症を引き起こす病原性のある細菌が含まれています。
食べ物と一緒に、その細菌が胃に行ってしまえば、大した問題にはなりません。
塩酸である胃酸で消化されてしまうだけですから…。
しかし、気管に食べ物が迷入したりすると大問題です。
特に高齢者になると、誤嚥(ごえん)を起こしやすくなります。
誤嚥とは、口の中の唾(つばき)や食べ物が、誤って肺に行ってしまう現象です。
通常、誤嚥して気管に入りかかった食べ物や唾液は、反射的にむせて吐き出せます。
ところが、気管の入り口の喉頭蓋(こうとうがい)の機能が衰えた場合、特にお年寄りは、その反射が上手く機能しないのです。
その時、口の中に、肺炎を引き起こす肺炎球菌が存在して(口の中にはよくいる菌です)、その菌を含んだ唾液が肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を起こすのです。
常日頃、正しい歯磨きをシッカリして、唾液に含まれる細菌の量を減少させる事が、大切なのです。
歯磨きを怠っている人は問題外ですが、誤った歯磨き法では口の中の細菌の量は減りません。
誤った歯磨きでは細菌を減らすどころか、大切な歯肉も傷めつけてしまうのです。
空気の乾燥している冬場は、特に口腔清掃が肝心です。
風邪ウィルスや雑菌が、乾燥した空気に乗って、移動しやすいのです。
健康を保つには、外出後にはうがいや歯磨きを励行して、口の中を清潔に保つことです。
最初の入り口で防衛していれば、風邪になる確率も、かなり減少するのではないでしょうか。
若い人は、誤嚥はともかく、もう一度、正しい歯磨きを身に着け、歯周病やむし歯を防ぎましょう。
是非、一度、歯科医院を訪ねて、正しい歯磨きを歯科衛生士から教えてもらうべきでしょう。
お互い風邪を引かないように。

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