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院長の独り言 40 ; 社会の木鐸としての使命感は?

先日、大学の同級生3人と久し振りに会食しながら、昔話を楽しみました。

バリバリの大学生現役の頃、丁度、安保闘争で日本中大揺れとなりました。

今の学生諸君は想像出来ない程、われわれ若者達(いまは爺さんですが…)は、日本の将来について討論し、大学生そして高校生までも激しいデモに参加し、国会議事堂を幾重にも取り巻いて、国会議員の先生方にプレッシャーをかけ、『日本の将来について真剣に討論してほしい』と訴えたものです。

あの頃は我々も若く、そして純粋だったなぁ~と懐かしく思い、其のころ一緒にデモをした仲間の顔が浮かびました。

その熱意に応えて、与党も野党も一生懸命夜遅くまで必死に討議しあっていました。

今、外国人地方参政権を認めるかどうかと云う問題が国会に議案として提出されようとしていますが、あの安保問題と同じかそれ以上に我が国の将来が懸っているのですから、提出されたら認めるにしろ認めないにしろ、われわれの子孫の将来を真摯に考えて討論してほしいと願って止みません。

国会議員は一人一人が国民から信頼されて選ばれた選良なのだから、この問題は党を離れて、私利私欲には走らず、一個人の議員として最もいい答えを出して貰いたいものです。

現在、ほとんどのマスコミはこの件に関して無関心を装っていますが、こんな大事な法案を、何故、もっと国民に知らせようとしないのでしょうか。

『ペンは剣よりも強し』の格言の通り、報道関係者は、社会の木鐸としての使命感を持つ人たちの集まりだと信じています。

賛否を論議する以前の問題として、情報を提供しない事が、一番マスコミとして罪深いように思うのですが…。

院長の独り言 39 ; 昔、大菩薩峠で遭難しかける

毎年、冬になると、雪山での悲惨な遭難事故が、テレビや新聞に登場します。

特に3月に近くなると、大菩薩峠が私の脳裏をよぎります。

私は大学生の頃に、冬山では怖い目に逢いました…。

冬山と云ってもハイキングコースの大菩薩峠。

怖い山ではないので、友達と二人でハイキング気取りで行きました。比較的に起伏が少なく、冬以外の季節には子供でも登る山です。

それは3月の上旬で天気も良く、それこそ軽装で、母に弁当のおにぎりを握ってもらって出かけて行きました。

其のころは男女二人で山に行く事は有り得ないことで、勿論、連れは同級生の男子学生です。

このブログに書いている事が古くて現代の若者には全く付いてこれない話ですが、当時はコンビニなどは無く、携帯の魔法瓶も無く、家から水筒、弁当を持参しないと、途中で食べ物を手に入れることが出来ませんでした。

大菩薩峠の頂上に着いたものの、気が付いたら周りには人影も無く、辺りに残雪がかなりあり、二人ともものすごく寒いことに気が付きました。

腹が減っているので余計に寒さが身に応え、慌てて食事を摂る事にしました。

ところが、おにぎりを食べようと口に入れても、口以上に中に入って行きません。おにぎりが口の中で動かないのです…。

慌てて二人とも水筒の水と一緒に飲み込もうとした途端、今度は窒息しそうになり、思わずご米粒を吐き出してしまいました。

あまり寒いと、食事も喉を通らないとは知りませんでした。

震えながら腹を空かして、ホウホウの体で下山しました。

ハイキングコースの大菩薩峠で、しかも3月でもこのテイタラク。

意外に簡単に遭難するのだと分かりました。冬山に挑戦する方は、ユメユメ、山を甘く見ないで、シッカリと計画を立ててから挑戦して下さい。

本格的な冬山登山は想像以上に過酷な世界だと思います。

3千メートル級の山、それも極寒の冬に平気で登山している人を見ると、簡単そうに見えますが、トンデモナイ事で、頑強でしかも常に訓練している特別な人だからこそ達成出来る事がよく分かりました。

何事も見えないところでの努力が大切大切。歯科でも勿論、同じですよ。

院長の独り言 38 ; 仕事に打ち込める幸福を、全ての働くひとに…

息子も歯科医師にならなければ、今のように多く、親子で会話する機会は無かったでしょう。

私も息子も、身内では全くの無口なので、以前は一緒に暮らしてはいても、今のように父子で会話する機会は有りませんでした。

特に息子が大学病院での勤務を辞め、当院で一緒に働くようになってからは、自動車通勤の車内で様々な話をします。

先日も仕事帰りの車内で、息子がポツリポツリと話し出しました。

当院では、インプラントの被せ物やセラミックの被せ物など、高度な審美性を要する歯科技工物は、デンタル・エボリューション社の歯科技工士 本田 圭さんにお願いしています。

先日、当院のインプラント治療の症例で、本田さんが作ったセラミックの補綴物(被せ物)が、息子の講演会で絶賛されたそうです。

その様子を、息子が電話で本田さんに伝えたところ、本田さんが会話途中、感動で絶句し、その様子に息子も思わず涙が出そうになったとの事です。

本田さんと息子は喧々諤々、技工物の質を向上させる為に頻回に相談し、時には声を荒げて、討論しています。

今回の話は、ここからが本題なのですが、息子が言うには、若い後輩達にその話をしても、全く信じて貰えなかったとの事です。

特に、クールな本田さんの普段の容貌を見知っている人ほど、本田さんの涙を信じないようです。

本田さんと息子は、『本当の情熱を持って仕事をしたことがない人は不幸だ』と話す一方、仕事に無心に打ち込める幸運を語り合ったそうです。

本当に仕事にのめり込んだ事のある人には分かる涙がある…。

ナリフリ構わず仕事に打ち込むと、素直に感情が出て、カッコつけて、クールに装う必要は有りません。

確かに今の日本社会においては、一生懸命に何かに打ち込む事が、カッコ悪いような風潮が有ります。

しかし、一生懸命何かに打ち込むと、外見など構って居れなくなります。

私も大学院時代、研究に打ち込むばかりに、頭髪に円形脱毛症を生じている事に、指摘されるまで気付かなかった程です。

東京工業大学準教授の上田紀行さんの近著に『かけがえのない人間』があります。

題名で予想されるように、現代社会における人間性軽視に対する、上田氏の魂の警鐘です。

確かに、派遣切りやリストラなど、人間を消耗品のように扱っている事に対しては、怒りを感じずには居られません。

一方で我々には、自分に消耗品のように扱われる素地はないのか、仕事と自分の関係性を検証してみる冷静な眼も、時には必要でしょう。

仕事で流した涙そのものを信じられなくなった人に、無心に、ナリフリ構わず、仕事に打ち込める幸福が舞い降りることを願うばかりです。

院長の独り言 37 ; ハハハハ….

『歯を食い縛る』『歯が立たない』『歯が浮く』『歯の根が合わない』『歯に衣着せぬ』など、歯にまつわる諺は多いので、皆さんも日常会話で良く使っていると思いますが、それでは『歯を没す』と云うのはご存じですか?

馬鹿にするな!と怒られそうですが、この諺に関して恥ずかしながら小生はいい年に成るまで、一度も聞いた事が有りませんでした。

論語、憲問の文言で『死ぬ』と云う意味だそうです。

昔は歯が無くなると云う事は以前のブログで書いたように(院長の独り言4)、動物では食べ物を上手く摂取できないことは、乃ち死を意味した訳です。

やはり、人間も火を上手く使える以前では、食事を摂る事が大変だったのかも知れません。

また、歯を何故、『は』と発音するのも考えれば不思議です。本来なら、『し』と発音するはずです。

大和の古代語で[ha]と多分言っていたのでしょう。

後に、中国から漢字が導入されて、その中に『歯』乃ち『し』があり、『は』と当て字になったと考えるのが自然です。

古代人は、この素晴らしい自然と色々な食べ物に恵まれた日本と云う国で、生活を大いに享受していて、笑い顔が絶えず、歯を見せて「ははは」と笑っているうちに、『は』と云う様になったのかも知れないなどと空想にふけっています。

お笑い下さい。『ははは…』

つまらない歯のお話でした。

院長の独り言 36 ; ひとを思いやる心は、まず礼節を守る心から生まれる

冬季オリンピックがカナダのバンクーバーで華やかに開幕しました。

日本のある選手が服装の乱れや態度の悪さで、日本は勿論、地元メデイアからも顰蹙をかっています。

私は古い人間ですから、学校で道徳教育も受けましたし、特に両親から他人に対する礼節や人前での態度で、周囲の人達に不快感を与えないように、耳にタコが出来るほど聞かされていました。

当然、私の医院でも、医局員、衛生士、そして受付の人に対し、患者さんに失礼のなく接するよう、常日頃の医局会で話しています。

こちらが礼に失しない態度で接すれば、患者さんだけではなく、業者さんでも誰でもこちらに合わせてキッチリと応対して貰えます。

そこに僅かな緊張感を含んだ素晴らしい関係が生まれてくるのだと思います。

最近は、初対面から『気さくな態度が良い』とか『フランクな会話の方が良い』とか、礼を失する態度を、さも物判りが良いと云わんばかりに得意気に話しているコメンテイターの人をテレビで観ますが、本当にそうなのでしょうか。

かなり付き合いが進み、気心がお互いに判り合ってから、フランクな言葉で話し合うのは良いでしょう。

しかしあの選手のように、TPOを弁えない場合は当然、世間の非難を多く浴びる事になるのだと思います。

彼が全部悪いと云うのでは無く、まだ若いのだから、周りの大人が礼儀などは前もって注意すべきで、もっと云えば、小学校から当たり前の道徳教育を受けさせていないからで、文部省も日教組も今回のあちこちからのパッシングを、他人事とだとは思わず、また一個人の問題とせず、最小限の道徳教育を義務教育の中で取り入れるように真剣に考えて貰いたいものです。

そして、われわれ子供を持っている親も、人に不快感を持たせないくらいの礼儀は次の世代に教育し、日本人の良い伝統として残そうではありませんか。

院長の独り言 35 ;雀は減っている?

最近、雀の姿がトント見られません。

10年くらい前は、五月蠅いほどに、自宅の周りでピーチクパーチクとさえずっていた様に記憶しているのですが…。

清少納言は、『雀は人によく馴れる』と書き残しています。しかし、自分の経験では、雀は馴れません。

何時から雀は人に懐かなくなったのでしょうか?

それとも清少納言が出鱈目言ってるのでしょうか?

八王子の郊外に、老舗の懐石料理店がありますが、昔は雀の姿焼を出していました。

一寸気持ち悪いので、初めてこの姿焼を見る人は、大抵、ビックリ驚きます。しかし、今はメニューに載っていません。

雀が居なくなると、色々な農作物が不作になるそうです。ミツバチなども居なくなると、やはり果物などが取れなくなります。

何故なら、皆さんご存じのように、蜜蜂が花の蜜を集める時に花粉が脚に付着し、雄花と雌花を結びつけているからです。

ミツバチが居なくなると、さくらんぼなど美味しい果物を口にする事が、困難に成りかねません。

雀は害虫(失礼!虫にとってみれば、“害虫”とは失礼な話ですね)、昆虫を常食としています。

雀は稲の大敵と云われていますが、もし雀が居なくなると、世の中、蚊や蠅などが増えて、さぞかし『五月蠅く』なるでしょうネ。

院長の独り言 34 ;和して同せず

和して同ぜず

これは論語、子路の有名な文言で、その意味は「人との付き合いは調和が大切で、むやみに他人の意見に引きずられて妥協をしない。協調は大切だが道理に外れていたら、あくまで反対すべきである。」と云う意味です。

其のあとに、『小人は同ずれど和せず』と続きます。

『つまらぬ人間は、やたらと人の意見に賛成するが、真に賛成しているのでは無く、表面だけの事で、まことの友達にはなれない』

これは私の父が自分の長い人生の経験から、我々家族に常日頃から強調していた云わば、石川家の家訓の様なものです。

自分が正しいと思ったら、あくまでも自分の意見を主張すべきであり、また、相手の意見の方が正しいと感じたら引く事も大切です。

人生ゴリ押しも駄目、言いなりも駄目と云う事ではないですか。

院長の独り言 33 ;すっかり都市化した八王子の街に思うこと

私が八王子で歯科医院を開業したのが、かれこれ40年程前になりますが、当時、八王子駅はそれはそれは貧弱な建物で、多摩地区で一番大きな市の駅とは、とても思えないものでした。

今は大変立派な駅ビルに変身しています。

この40年足らずの間に、駅前にはビルが林立し、すっかり都市化が進みました。

わが医院の近くに、30階程の公団マンションがあり、今年は八王子駅南口に、やはり41階の多目的ビルが建つ予定です。

高尾山がすぐ近くに有り、私も11月中旬に開催する八王子もみじ祭りに合わせて、紅葉を目当てに登山などと大げさに云う程ではないのですが、毎年、家内と一緒に頂上を目指して登ります。

途中に蛸杉(たこすぎ)という名物の大きな杉の木を見ながら、薬王院を拝観し、登山道脇の蕎麦屋で山菜蕎麦を肴に、二人で熱燗を一杯やるのが慣わしです。

八王子の街は変わりましたが、高尾山は昔と同じです。

ただ変わったことは、登山する人の数が驚くほど多くなったことです。

最近は特に、ミシュランガイドの影響か、外国の登山者が多いのにはビックリさせられます。数十年前には青い目の人にはまず出会いませんでした。

小学生の頃は、戦争に負けた記憶が鮮烈で、すっかり外国人恐怖症になっていましたが、この頃は患者さんにも色々な国の外人さんが来院しますし、ヨーロッパなど外国に行く機会も多くなり、そのような事も無くなりました。

でも、華道、茶道、和歌などの日本独特の文化ぐらいは、死守したいですね…。

院長の独り言 32; 失業対策

公共事業、例えばダム建設や高速道路の整備など無駄だとか必要無いなどと云って、国会の予算審議でバサバサと切られていますが、早計過ぎるような気がするのですが。

イタリアのミラノの大聖堂を初めて見た時は、その雄大さに目を見張りましたが、完成するのに500年の歳月をかけたと云う事を案内の人の説明を受けて、やっぱり昔のヨーロッパの人達も、失業対策を一生懸命考えていたのだと感心しました。

わざと仕事を引き延ばしユックリやっているのです。

勿論、仕事が無くならない為にだと思います。

そうでなければ、500年も時間は必要ないでしょう。

日本でも奈良時代の大仏建立や遷都など、色々理由は後付されますが、要は失業対策に決まっています。

不景気に成ればなる程、為政者すなわち国は、故意にでも仕事を作り出すべきであり、そうする事で景気が徐々に回復するのではないですか。

今から1000年以上も前の人が、それも洋の東西を問わず実施している、失業対策を是非、学んで欲しいものです。

ただ単に、お金のバラ撒きをするより、仕事を創り出す方が、どれだけ景気が良くなることか歴史が証明しています。

イベントに乗る

今日はバレンタインデーです。

学生のころは、バレンタインといえば本命のみ!!義理チョコなんてナンセンス!

なーんて思ったりもしていましたけど…

最近では、ちょっぴり考え方が変わってきました♪

日ごろお世話になっている先生方やお友達に…

誕生日プレゼントというのも何か違うような…

というのにぴったりなのがバレンタインなのでは。。と思うのです。

感謝の気持ちをたくさん籠めてバレンタインのプレゼントを選ぶのは楽しいものです。

そしてまた、渡したときにふと見せてもらえる笑顔が、とてもうれしいものです☆

バレンタインって素敵なイベントですね!

 

…ちなみに!ご存知の通りチョコレートは虫歯菌の大好物☆

食べたらちゃーんと歯をみがきましょうね♪

趣味の話

お久しぶりです。

突然ですが、みなさんは趣味をお持ちでしょうか。

楽器にスポーツ、料理に読書…人それぞれたくさんの趣味が存在します。

ちなみに私の趣味は、書道です。

母の影響を受け初めて筆を握ってから、はや25年が経ちました。

もはや趣味の域を通り越しているかもしれません。

やめようと思った時もありました。

友達と遊びたい時期、受験勉強に忙しい時期、どんな時も続けてきて、ようやく今

自分の手に何かをつかんだ実感があります。

また、書道を通してたくさんの出会いがありました。

仕事も立場も年齢も違う仲間と共通の話題を持てることはとても貴重なことです。

その中で、人との関わりを学び、社会の成り立ちを知りました。

25年が過ぎ改めて、書道をやってよかった、続けてきてよかったなぁ

そう思える今日この頃です。

 

 

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院長の独り言 31 ; 昨日の自分と今日の自分は違う

ある日、地球の回転が突然止まったら、世界中の人間は勿論、全ての生物や建造物や岩石なども、跡形なく宇宙に飛んで行ってしまうでしょう。

電車に乗っても飛行機に乗っても、動き出す時は重力Gが掛かり、つんのめったり、ひどい時は転びますが、安定速度になれば走っているのか飛んでいるのか分らなくなります。

そして止まる時にはかなりの抵抗を感じ、自分は動いている乗物に乗っていたのだと感じるのです。

我々は意識していませんが、地球が24時間で1周する(自転)と云う事は、ジェット機より全然早い乗り物に乗っているのと同じ事ですから、一瞬で止まったら大変です。

しかし、そんな事は現実には起こり得ない杞憂なのですから、全くの心配無用です。

例えば、空気のように存在して当たり前、無くなった時には初めてショックを受けるのでしょうけど、地球が24時間かけて自転しながらが太陽の周りを365日で周り(公転)、そして、銀河系の一員として、宇宙の果てに向かって、凄いスピードですっ飛んでいるなんて意識して生活している人などいませんし、また、する必要も有りません。

実際は、我々が今いる場所には一瞬たりとも留まっている事は無いわけで、翌日にはとんでもない程離れた所に、地球という乗り物に乗って移動してしまっているのです。

人の身体も刻一刻と変化していて、見た目は同じようでも、細胞レベルで観れば、一日前の自分と今現在の自分は違うのです。

話は変わりますが、歯周病に侵されて「これは抜歯ですよ」と言われて急に歯が無くなった場合(小生は歯医者ですので)、患者さんは本当に意気消沈します。

毎日の生活ですから、これは意識せざるを得ませんし、受け入れなければいけない身体の変化です。

今まで歯が無くなるなんて意識もしていなかったのですから、患者さんは義歯しか無いのだと自ら決めつけて「俺も歳を取ったものだなぁ~」とか「硬いものは好きだけど、これからはあまり食べられなくなるなぁ~」と嘆き節になってしまいます。

でも10年前と違い、インプラント治療があるので心配無用です。自分の歯と同じように食事が出来るのですから。

勿論、そうなるには手術をし、美味く食事が出来るにはしばらく(約2ヶ月間~半年間)は待たなければなりません。

ブログにも紹介しているように、場合によっては完成まで1年間かかる場合もあります。

その間、何とか辛抱して貰い、かなり長い期間、上手く噛めないでいるにも関わらず、患者さんは術者が必死に治療をしている事を理解してくれるのでしょう。

治療後、色々な物が噛めてくると、我々の気持ちを察してくれて、笑顔で「ご苦労さん」と感謝してくれます。

本当にホッとするやら嬉しいやらで、思わず一杯飲みたい気分になります。

院長の独り言 30 ; 漫画は日本の大切な文化です

日本の漫画が一番面白いという事実は、欧米、アジアのどこの国においても、当然の事として認知されているようです。

スペインのホテルでテレビを付けた途端、クレヨンしんちゃんが目に飛び込んできた時は、本当にタマゲました。

そして今、後悔しています…。

小学生の頃、田河水泡の『のらくろ』や手塚治虫の『新世界ルルー』など、かなり多くの漫画本を両親に買って貰い、夢中で読んでいました。

しかし、キチンと保存せずに、その辺にウッチャッて置いたので、現在、一冊も自宅には有りません。

そのうちの何冊かでも、いま持っていたらと悔やまれるのです。

テレビ東京の『なんでも鑑定団』を見るたびに、地団駄を踏んでいます。

あんな安かった本がビックリするほど高価になって、テレビの画面に出てくるとは!!

何でもそうですが整理整頓が大切な事を、あらためて感じ入っている次第です。

不精なわが身を、今更、後悔しても、始まりませんなぁ。

前総理の麻生さんがマンガ館を作ると言っていましたが、此れは、今でも大賛成です。

日本の漫画が、何かと殺伐としている世界の人々、子供や大人にとって、どれだけ、こころの栄養になっているのか測り知れません。

予算を復活させて、是非、マンガ館を作って欲しいものです。

少しは景気にも好い刺激を与えるし、日本が世界に誇る漫画文化の保存に、そろそろ力を入れないと、私のように後々、後悔することになるかも知れません。

院長の独り言 29 ; ほどほどの排他性が大人のお付き合い

一日一日と陽が長くなり、もう直ぐ春の到来を予感させます。

八王子では、ここ2、3日は朝晩はまだ寒く感じますが、日中は結構過ごし易くなって来ました。

ところが医局の先輩で長く懇意である、富山県で歯科医院を開業しているK先生によると、日本海側は今年は特に大雪で、非常に寒いそうです。

日本は随分広い国だなぁ~と嬉しく思います。

わが国は四季があり、景色が刻々と変化して、一年中、自然の豊かさを堪能出来る世界でも稀な国です。

地方によって独特な気候、そして山、川、海と様々に変化に富んだ地形が、その豊かさを何倍にも増幅させてくれます。

この素晴らしい自然の財産や長く続いてきた独特の伝統を、未来のわれわれの子供達のためにも、『何としてでも残したい…』と心の底から強く感じているのは私だけでしょうか。

貴重な国民の財産は、われわれ国民が皆で意識して、大切にしようと思わないと消滅して行く事になります。

勿論、自分達の国ですから、われわれは当然、その為に無意識のうちに努力し行動していますが、外国の人に同じようにしてくれと言っても無理でしょう。

前にもブログで書いたように、自分たちで自分の国を守る事を怠ると、カルタゴのように、結局は日本らしさが消えていく事になります。

わが国の自然の豊かさと先人の作った神社やお寺、仏像などの人工物が、微妙に調和した景色は本当に美しいもので、特に外国に行くと、一層、祖国の素晴らしさが際立ち、その保存の大切さを痛感させられます。

外国の人達もそう云う独特な日本だからこそ、その価値を認めているのです。

どこかの首相が「日本の国は日本人だけのものじゃない」などと、軽率な発言をしているのを聞くと、まったく腹が立ちます。

この様な考え方で物事を進めていけば、結局、その国の独創性は徐々に、無くなってしまうでしょう。

『細かいことに目くじらを立てて…』とか『大した事じゃない』と云う人もいるでしょうが、昔からの格言にもあるように、極く小さな綻びが取り返しの付かない大事に繋がると云うじゃないですか。

初めのうちは何の変化が無くても、5年10年経って気がついた時には、日本が日本じゃ無くなっている可能性もあると考えられます。あとで「しまった!あの時選択さえ間違わなければ…」と思っても、文字通り、あとの祭りです。

他の国の首相が同じような事を発言したら、即刻、首相の首が飛ぶのではないでしょうか。

全ての国には、それぞれ独特の風土と文化が有り、それぞれの国の人々が、一生懸命、それに誇りを感じ、守っていく事こそ大切なのですから。

政治思想においても、その国独自の社会主義の国が有り、ある国では貪欲そのものの資本主義の国が出来上がる。そのように、色々な国が有るから、世界は面白いのではないですか。

みんな同類化する程つまらないものは有りません。国同士仲良くするのは当たり前で、それを踏まえて、それぞれの国々が程々の排他性を持ち、それを認め合うのが大人の付き合いと云うものです。

外国の人の意見を、節度無く、無批判に受け入れていたら、日本では無くなるのと違いますか。

賢明な外国の方は、そのような愚かな事は、自分の国では絶対拒否するでしょう。

院長の独り言 28 ; 患者さんの信頼に応える医療

最近、愛知県豊橋市の歯科医師が、除去されたインプラントを、他の患者さんに再利用しているということで、従業員に内部告発され、テレビ、新聞そして週刊誌に、大きく非難の報道がされました。

この問題の歯科医師のような人の治療を受けた患者さんは、真に気の毒としかいいようが有りません…。

そして、こう云う事件が起きるたびに、真面目に医療を行っている大部分の歯科医師が、大迷惑を被ります。

教科書や講習会で基本的なやり方を習得したのみで、実際、インプラント治療を行うのは大変危険なのです。

まずは臨床現場でお師匠さんの教えの下、必死に研鑽を重ねるべきであり、自分で納得できる自信がついてから、はじめて実際に治療すべきです。

更にそれに加えて、何度も勉強会に行って知識を増やし、技術を極め、また専門書も出来るだけ読んで、臨床は行うものです。

自分では完璧な治療をしているつもりでも、ほんの数%ですが、インプラントの除去に至る事は避けられません。ましてや、適当な治療を行えば、結果は推して知るべしです。

悔しいけれど、現状では最高と思われるやり方で治療を施しても、多くのリスクファクターを排除し切れずに、100%の成功は難しいと感じています。国内外の大学病院のインプラント治療科におけるインプラント生着率は、約95~98%です(5年間の生着率。上部構造の成功率ではなく)。

歯痛で歯の神経(歯髄)を除去し、完璧と思える処置をしても、その成功率は95~98%と云われています(抜髄根管における成功率)。痛んだ歯の保存率とインプラントの成功率は、今やほぼ同率なのです。

しかし、インプラントの脱落率0%を目指して真摯に頑張ることが、われわれインプラント治療に携わる歯科医師の夢であり目標です。

長期インプラント症例

院長の独り言 27 ; 四十年の去り際

一年経つのが早く感じるようになると、歳をとった証拠だと良く云われますが、小学生の頃はたった一日の事でも、長くて長くて時間を持て余しぎみでした。

今は一日が驚くほど短く思えて、新幹線に乗って呆然と外の景色を、いや時間をやり過ごしている感じです。

あれもしなきゃ、これもしなきゃと毎日、ただ気持ちだけが焦っています。

開業の時から来院していて、お互いに気心も通じ、治療に来ると云うよりは、世間話が目的でいらっしゃる患者さんも、当院は結構多いです。「あの頃は先生も若かったね~」などと、自分も若くないのに憎まれ口をたたいて、昔の話に花を咲かせて喜んでいます。

本当に、アッと云う間に40年経ちました…。

特に、仲の良い患者さんと云うのも変ですが、長く贔屓にしていただいた患者さんの訃報を知らされると、本当に意気消沈します。長く診療に携わっていると、悲しい経験も多々有るのです。

医療は人と人との関わりで成り立っている仕事ですから、そう云った悲しい出来事も止む負えない事と重々承知していますが、患者さんに感謝されたり怒られたりして、そして、悲喜交交の経験を積み重ねて、信頼されるドクターに育っていくのでしょう。

積み残した諸々のことは、新しい技術を習得して頑張っている息子や若いドクターに委ねていきたいと思います。それまでに、もうひとふん張り、頑張りますか!

夕焼けと飛行機雲