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院長の独り言 330 ; 金環日食を観察!

前夜の天気予報では、5月21日月曜日の東京は、曇りとの事。
小生が楽しみにしていた世紀の天体ショー『金環日食』が観察出来るかどうか、当日の朝まで、微妙だったのです。
朝起きて、東の空を見ると、天気予報の通り、分厚い雲が垂れ込めており、『これは金環日食を見る事は叶わないか…』とガッカリしていました。
しかし、テレビ番組では気象予報士さんが、『雲は意外に薄く、切れ間が出るかも知れない』と少しは希望の持てる意見を言っています!
2ヶ月以上前から、観測用の眼鏡を、デパートで買い込んできた私とすれば、何が何でも、雲の切れ間が出てくれなくては、立つ瀬が無いと云うものです。
以前のブログで触れましたが(院長の独り言 248 ; 皆さんは『月』ついて、何を知っていますか?)、月は衛星としては並外れて大きいのです。
殆どの衛星は大きくても、親星の20分の1以下の大きさしかありません。
月の直径が地球の4分の1もあると云う事は、奇跡に近い大きい衛星なのです。
おまけに、太陽と地球と月の微妙な距離関係を考えると、いくら宇宙が広いと言っても、この三者の関係は唯一なのかも知れませんね。
惑星(地球)から金環日食が見えるには、月の大きさが地球の約4分の1なので、太陽、地球、月の距離間隔は、太陽と地球の距離が1億5千万㎞、地球と月の距離は38万㎞強でなければなりません。
実際、その通りの関係なのです。
特に、金環日食と皆既日食の両方が、観察出来る惑星は、宇宙で地球だけでしょう。
月の軌道が微妙に楕円を描いているから、両者が見えるのです。
神様が、われわれ人類に、金環日食と皆既日食を見せる為に、三者の配置をこのようにしたとしか考えられません。
次回、東京で見られる金環日食は約300年後だそうです。
朝、曇り空を見上げて『300年後か…』と、一旦、世紀の天体ショーの再来を諦めたのです。
ところが、7時を過ぎた頃から、雲に切れ間が出てきて、太陽が欠けていく様子を観察出来るようになりました。
そして、なんと7時30分頃の金環日食は、バッチリ見る事が出来たのです!
本当にラッキー!としか言いようがありません。
診療所の屋上から観察していたのですが、確かに金環日食の瞬間は、眼下の通りも、少し薄暗くなったような気がしました。
気温も少々下がったのではないでしょうか。
患者さんとも『見えて良かったネ!』とニコニコ談笑したのでした。

当院のスタッフ(受付)である山口美穂さんが撮影した金環日食の写真です。
よく撮れたものです!


院長の独り言 329 ; 石川歯科40周年のサプライズ・パーティー

4月21日(土)、仕事が終わった後、石川歯科医院開業40周年のお祝いをしました。
スタッフ一同が、私に秘密にして、準備をしてくれていたのです。
祝賀会を行ったお店は、鉄板焼きの八王子うかい亭です。
お祝いの豪華な花束とネクタイ(エルメス)を2本、プレゼントして貰い、感謝の気持ちで一杯になり、ついホロリとしてしまいました…。
30歳を過ぎた当時、研究者として一生、大学で働くか、思い切って歯科医院を開業するか、『人生の岐路』と云うヤツに立っていたので、内心、いろいろと悩んでいました。
大学では運良く、若くして講師になっていたので、自分としては教室の居心地が良かったのです。
なにしろ、恩師である教授には可愛がられており、その上、研究もすこぶる順調で、大学から外に飛び出して、世間の荒波に揉まれるのが、正直、不安でした。
しかし、レールの引かれた『ぬるま湯』状態と思っていた事も確かでした。
家内の考えは『自分の思った通りにして欲しい。あとで後悔しないように。どちらでも協力するから』との事。
思案の結果、八王子の繁華街の八日町で、昭和47年の12月、街は新年を向かえる準備で、騒々しい中での開業。
ドキドキしながらのオープンでしたが、その後、40年間はアッと云う間に経ってしまいました。
歌の文句ではありませんが、ただ、ただ、時の流れの速いのに驚愕しています。
鉄板焼きを、若いスタッフと愉しんでいる自分が、あと何年間くらい診療が出来るのか、皆目見当もつきません…。
あらためて、歯科医師人生の残りの時間を、頑張らなければと思っています。
現在、息子を頭に、若い人達がチーム(ドクター、衛生士、受付)を組んで、素晴らしい治療結果を出しています。
40年前には、とても治癒の望めなかった症例でも、今は、普通に治る時代になっています。
小生は…と云うと、昔からの患者さん相手に、ゆっくり時間をかけて、丁寧な治療を行なっています。
20年前、一日50人以上の患者さんの治療をしていたのが、ウソのようです…。
40周年は、ひとつの過程だと思っていますので、今後とも、末永くよろしくお願い致します。
それにしても、女性スタッフが選んでくれたネクタイの柄が、ヒツジとハートマークでした。
70歳オーバーの小生には、少し派手じゃないですか?
気持ちも若返って、大切に使わせて頂きます!
スタッフのみんな、いつも本当に有難うね!

院長の独り言 328 ; 患者さんのIさんから頂いたドイツ製注射器

患者のIさんから、およそ100年前のドイツ製注射器を頂きました。
仕事柄、興味津々に、注射器を手に取って、上から下から斜めからと観察して、弄(いじ)くり回したのでした。
一番驚いたのは、この注射器が本当に頑丈に出来ていて、今すぐにでも使用出来そうな事です。
注入量が分かるように、目盛まで付いています。
精巧ですね。

現在のような注射筒に針を付けて使用する注射器が発明されたのは、西暦1850年頃とされています。
フランスの科学者が発明したそうです。
私が歯科医に成りたての頃、歯科麻酔用の注射針は、腕などに使う針より太い針を使用していました。
歯の根は、硬いアゴ骨に植わっているので、薬液をアゴ骨に浸み込ませなければ、麻酔が効かないからです。
皮下や筋肉注射に使うような針では、折れてしまいます。
先が太いので、針を刺した時は大変な痛みを感じます…。
昔、歯科が敬遠された理由は、この太い針に依るところ大なのです。
最近では、日本のメーカー(医療機器メーカーのテルモと岡野工業の共同開発)が、世界一細い針を開発しています。
直径0.2ミリと云う細さです。
勿論、歯科においても、この細い針が使用されていて、患者さんは殆ど痛みを感じません。
細いのに丈夫なので、折れる事もありません。
戦前の医療機器は、欧米からの輸入品の独壇場でしたが、現在、わが日本のメーカーが最先端を走っています。
報道では、日本をまるで斜陽国家のように扱っていますが、何処が駄目なのか教えて欲しいものです。
世界に誇る最先端技術は、まだまだ沢山、日本にあるのです。
威張ることはないですが、別に、へりくだる必要もないでしょう。
今の若者が、まるで駄目なような報道も多いですが、今の日本で、本当に悪いのは、大人ですよ。
言動が自虐的で、卑屈で、劣等感が強いです。
地に足の着いた、勇気あるリアリズムが必要です。
そうすれば、日本は大丈夫ですよ!