院長の独り言 122 ; オルセー美術展2010に行ってきました!

先日、石川歯科の患者さまからオルセー美術展の招待状をプレゼントして頂いたので、六本木の国立新美術館に家内と二人、ワクワクしながら出掛けました。

地下鉄乃木坂駅を出た途端、その日差しに、いよいよ夏の到来!を背中で感じながら、美術館を目指したのでした。

午後1時過ぎに着いたのですが、流石、人気の展覧会で、大変大勢の人が観に来ていました。

日本経済新聞の連載で、今回のオルセー美術展の内容が詳しく紹介されていました。

また会場でも、展示されている絵と一緒に、詳しい解説が表示されており、数年前、パリのオルセー美術館に実際、訪れた事もあって、更には頭に予備知識を十分叩き込んであったお陰で、楽しく観覧する事が出来たのです。

いつもの事ですが、絵を観る時に限らず、美術品などの展覧会を見学する時には、その工芸品を製作した名工や名画を描いた画家の内面を理解する様に努力しています。

準備を或る程度整えた後に観覧すれば、作品の奥行きと云うか、素晴らしさ、あるいは哀しさ、時として作家の厭らしさなど、その深層を含めて理解出来て、観る楽しさが何倍にも増幅するのだと思います。

ただ漠然と、絵画や工芸品を観るのも良いものですが、作品を発表した時代に照らし合わせて鑑賞し、時には作家の心の内面を覗き、作家が作品を描いた時の新鮮な気持ちになってみるのも楽しいです。

そういった訳で、必ず絵を観る前に予備知識をある程度、取り込んでから出掛ける事にしています。

オルセー美術館を訪れた時は、ルーブル美術館の作品を観た後だったので、ヨーロッパの古典的な作品を充分観た後に、近代の印象派などの作品を連続して観る事が出来、その移り変わりが少しは分かったような気がしました。

今回のオルセー展は、近代ヨーロッパの印象派から進化したポスト印象派(ナビ派など)の作品が多く出品されていましたが、特に、セザンヌ、ゴッホ、モネ、ゴーギャン、ルソー、ボナールなどの名作を観る事が出来て嬉しく思ったのでした。

『日本かぶれのナビ』と言われたボナールは、江戸時代の浮世絵に多大の影響を受けたのをはじめ、セザンヌやモネも浮世絵の面白さに気が付いていた事は確かな事実です。

葛飾北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』において、豪快な波間から富士の山を望む、皆さんご存知の奇想天外な構図や、東洲斎写楽の『三代目大谷鬼次の奴 江戸兵衛』の生き生きとした表情など、当時のヨーロッパでは考えられなかった構図や表現に驚きと憧れを持たれたのだと思います。

過去のジャポニズムにおいてだけでなく、現在においても、我が国は世界に良い面で色々と影響を与えているのです。

美術工芸部門では勿論ですが、科学分野でも、例えば最も最近のものでは、炭素繊維、特に日本で発明されたPAN系炭素繊維は、鉄より何倍も軽くて頑丈なので、自動車や飛行機、ロケットなどに応用される画期的な材料として、大いなる期待を抱かせる素材なのです。

更には、海水を真水に変える装置は世界から大変注目されていますし、医療面では義足、義眼などの完成度の高さは世界一で、他国のものを圧倒している素晴らしさなのです。

決して、二番煎じでは有りませんぞ!

小生の専門分野の人工歯根(インプラント)も、国産で素晴らしい製品がシッカリと作られているのです!

もともと我々日本人は気性の優しい、勤勉な民族なのですから、以前のブログ(院長の独り言 119 )に詳しく書きましたが、義務教育時代に道徳教育さえキチンと行えば、次代を担う子供達も、我が国の昔からの伝統である礼節を重んじた立派な大人になり、世界に誇れる素晴らしい国になると思うのですが…。