院長の独り言 19 ; 前菜は大量のスパゲッティーで…

敗戦後しばらくの間は、我が国では食生活も貧しく、私が本格的な西洋料理を経験したのは、既に30歳を超えてからの事でした。

それまでフランス料理といえば、牛の薄いステーキが出れば満足で、イタリア料理のスパゲッティーにおいては、その種類の多さに圧倒されていました。

勿論、本当のコース料理などはハナから経験が無く、ちょっとした前菜や魚の料理を食べた後に、最後に出てくるのがスパゲッティーだと思っていました。

後々、イタリアを旅行した時、ローマのレストランで見たイタリア人の家族と思しき4人が席について、まずワインを嗜んでから後、かなりの量のスパゲッテーを食べ始めたので、我々と同じで、やはりイタリア人も食事の締めはスパゲッティーなのだと納得していました。

ところが、そのあとに生野菜、鮮魚そして肉料理と楽しそうにお喋りしながら、びっくりするほど沢山の量を食べていました。

その時初めて、スパゲッティーはイタリア料理では前菜なのだと知りました。

今でもコースのイタリア料理では、メインが出る前に、スパゲッティーを食べる事にどうもなじめずにいるのです。

きっと、イタリア人の底抜けなラテン・パワーは、あの旺盛な食欲から来るのですね。

一方、私は近頃、食欲が落ちるばかりで…。情けない。

お正月はやっぱりお雑煮が一番!

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