院長の独り言 383 ; 眼鏡なしでは…

私は小学生の頃から、視力が良いことを自慢にしていました。
ハイキングに行っても、遠くの遠くの山並みや草に隠れている昆虫を、友達が驚くほどよく見えていました。
大学生になっても、左右の両眼とも視力は2.5でした。
自動車免許の検査でも、係官に『目がいいね〜』と感心されたくらいでした。
歯科医になってからは、目に負担となる、細かい仕事を要求されるので、少しずつ視力が落ちてきましたが、それでも50歳を過ぎても、視力1.5程度を保っていました。
勿論、メガネの世話などには、生まれてこのかた、一度もありませんでした。
ところが60歳を過ぎた頃から、患者さんを治療している時、患部が何となくぼやけて見えるようになってきたのです。
歯がぼやけて見えるのです。
見るものがぼやけるなんて、生まれて初めての経験です。
そして一生懸命、口の中の患部を見ようとすればするほど、ぼやけて見えてしまい、おまけに頭までがボーっとしてくるようになってしまいました。
『もしかすると、白内障か老人性遠視(つまり老眼)か!』
今までサングラス以外に眼鏡を一度も掛けたことがなかったので、心臓が止まるほどドキッとしたのです。
早速、老眼鏡を購入すべきかどうか、デパートの眼鏡売り場に相談に行ったのです。
もしかして、眼科に行って精密検査を受けなければいけない状態かも知れないと、内心、ドキドキしながらデパートに行きました。
大きな検眼機で、丹念に検査を受けた結果、『老眼鏡が必要ですね』と云う事になりました。
老眼鏡をかけてみると、自分で考えていたより、見る物がハッキリ見えるのには正直、驚いたのです。
もしかすると自分が思っていたより、随分前から、目が悪くなっていたのかも知れません。
もっと早く目の検査を受けて、メガネを掛けるべきだったと後悔しています。
歯の無い患者さんに『何故、もっと早く来院しなかったのですか?』などと言っていた自分が恥ずかしくなってしまいました…。
現在は、老眼鏡と親友の仲になっています。
愛用のメガネが無いと、治療はおろか、本や新聞も読めませんし、食事も美味しく食べられません。
ボケて見える食事は、実に不味く感じるのです。
食材がハッキリ見えてこそ、食事は美味しく食べられるものですね。

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