院長の独り言 266 ; 恒例のホタル観賞会

毎年恒例のホタル狩りをしに、高尾山の麓にある割烹『うかい竹亭』へ、スタッフ一同で出掛けて来ました。
今年の前期に、一生懸命、仕事を頑張ったお疲れ様会と云うか、ご褒美会です。
ホタルを鑑賞できる期間は本当に短いし、おまけに、このホタル観賞付きの催し物は大変、人気があるので、随分、前から予約しなければなりません。
従って、その日の天気は運次第になります。
当日の7月30日(土)、いつもより早く、午後5時に仕事を終えた後、高尾山を目指して甲州街道を下るのですが、その日は生憎、朝からの雨模様です。
天気予報では夕方からは大雨との事です。
今年は残念ながら、大雨に災いされて、ホタルを見る事が出来ないのではないかと、半分、諦(あきら)めていました。
ところが、うかい竹亭に着く頃になると、雲に切れ目が見えるようになってきたのです。
雨粒も殆ど落ちてきません。
嬉しいのですが、大雨予報は外れたのでしょうか。
お昼のニュースでは、新潟方面は、川が氾濫していて、大災害の様相です。
その大雨を齎(もたら)している雲が、関東に南下してくる筈なのですが…。
このまま宴会が終わる午後8時過ぎまで、何とか雨が降らないで欲しいと、本気で願ったのでした。
うかい竹亭には、毎年、結構、お世話になっており、仲居さんとも顔見知りの人がいるので、居心地が良く、お酒が飲めるといったところです。
大雨にならなければ、こんなラッキーな事はありません。
ワイワイと話が盛り上がり、時間の経つのも忘れているうちに、窓の外は、もう真っ暗になってきました。
突然、部屋の明かりがパッと消えて、それこそ料理も、隣のスタッフの顔も、全く見えないくらいの暗闇になったのです。
意表を憑かれた女性軍の何人かは、『キャッ』と悲鳴を上げました。
ホタルの観賞タイムなのです。
線香花火を持ってきた仲居さんに、『窓を開けて庭に出て、ホタルを見て下さい』と促された我々は、漆黒の闇の中を小さく照らすホタルに、歓声を上げたのです。
暗闇に目が慣れてくると、木の茂みや庭石の上を、優雅に飛んでいる光りの点滅が幾つも見えてきました。
思い出すに、私が小学生の頃には、東京の公園でも、ホタルを観察出来ような気がします。
若いスタッフ達が喜んでいるのを見て、本当に雨が降らなくてよかったと胸を撫で下ろした次第です。
照明が点くと、今度は線香花火です。
縁側で花火を楽しむスタッフの後ろ姿を眺めつつ、熱燗をグイッ!
また明日から頑張りたいと思いました。

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