院長の独り言 253 ; 節電の夏、到来

7月1日(金)からいよいよ、経済産業省が主導する節電アクション(節電対策)が始まりました。
ところで家電の中で、一番、電力を消費するのは何だか、ご存知ですか?
冷蔵庫、あるいはテレビ、あるいはエアコン、さて、どれでしょう。
一番、節電になるのは、冷蔵庫ではなくてエアコンで、ひと部屋の電気を止めていれば、一日中、稼働している冷蔵庫の消費電量の3倍は節電になるそうです。
そう言った訳で、部屋の温度設定を28度にするように、五月蝿(うるさ)く、新聞やテレビで協力を訴えるのも、理解出来ます。
マスコミによれば、役所や会社では、皆で頑張って、冷房の設定温度を28度にしており、我慢大会さながらで仕事をしているようです。
一方、自宅でエアコンを止めて、窓を開けていると、何かと物騒な昨今、泥棒の被害に合わないとも限りません。
私が小学生の頃は、夏は何処の家も、窓は開けっ放しでした。
本当に60年前の日本は、長閑(のどか)なものでした。
玄関の鍵でさえ、我が家では、掛けた事は一度もありませんでした。
当時、エアコンなどは、世の中に存在してなかったので、せいぜい扇風機があれば御の字。
殆どの家では、暑い日は窓という窓を全部、開けて、簾(すだれ)を掛けて、暑さ避(よ)け対策をしていました。
我々子供は、カキ氷を食べて、嬉しい暑さ対策もしていたのです。
勿論、我が家も、近所の家もみんな、そうして暑さから身を守っていたのです。
しかし、空き巣の被害を受けた事など、一度も聞いた事が無かったのです。
今から思えば、戦争に負けてしまい、食べるだけで精一杯、何も盗られるような物が無かった事も確かでした。
冷蔵庫も、テレビも、エアコンも、現在、重宝されている白物家電が存在しなかったので、節電なんか全然、必要無かったし、『節電』と云う言葉さえもありません。
オッさん連中は、夕方、殆ど裸同然に、道端で縁台将棋を差し、暑さをしのいでいました。
我々子供達は、日中、川やプールで水遊びに熱中していたのです。
我が家で玄関に鍵を掛けるようになったのは、確か自分が高校生になる少し前だったと思います。
世の中が色々と物騒になってきた時期は、日本が高度成長期に入った頃と符合するのです。
しかし、まだまだ今ほど危険な状態ではなかったので、夜遅くの女性の帰宅でも、それほど危険とは感じない時代だったのです。
ここ最近、右肩上がりに危険一杯の世の中になってしまい、60年前のように、窓を開けっ放しにして、涼を取るなど不可能です。
確かにエアコン、冷蔵庫、テレビ、そして自動車と、贅沢な暮らしになったのですが、その代償として、危険が一杯の世の中になってしまいました。
しかし、脱原発の旗の下に、今更、時代に逆行するのが、本当に世の中にとって良い事なのでしょうか。
それより積極的に、『オーランチオキトリウム』や『メタンハイドレート』などで(院長の独り言 220 ; メタンハイドレートとオーランチオキトリウム)、新しいエネルギー源を早く開発するべきでは、ないのでしょうか。
節電、節電で、小さく縮んで行くより、新しいエネルギーを開発して、大きく羽ばたいて行きたいものです。
我が国日本は、まだまだ、世界に誇れる技術を持っているのですから…。

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