院長の独り言 139 ; 両親との九州旅行(パート1)

八王子で開業して5年目の春、無理をして一週間の休みを取ったことがあります。

丁度、仕事が落ち着いてきた時の話です。

親父とお袋を連れて、兄貴一家と我々一家が一緒になって、九州旅行に行きました。

半年程前から、兄貴と『親父とお袋が元気なうちに、何処かへ、旅行に連れ出そう!』と計画を立てていたのです。

親父は仕事の関係上、国内のみならず、海外にも、しばしば出向いていたのですが、お袋はと云うと、戦争の影響をもろに受けてか、気の毒な事に殆ど旅行らしい旅行に出かけた事も無く、お姑さんや子供達の世話に明け暮れた人生でした。

そんなお袋に、兄弟で楽しい旅行を、何とかプレゼントしたいと話し合っていたのです。

色々と迷惑ばかり掛けていたので、両親が元気なうちに、一寸した親孝行の真似事がしたかったのです。

われわれ兄弟2人の意を汲んで、兄貴と小生の両方の嫁さん2人共々、快く賛成して呉れました。

当時、兄貴の息子(小学校5年生)と小生の娘(小学校2年生)、息子(幼稚園児)の3人のチビさん達は春休み中でした。

3人共、旅行の計画を聞いて大喜びして、はしゃいでいました。

そして、子供達3人のたっての願いで、新幹線で博多まで行く事になりました。

好天の朝、8時の『ひかり号』で東京駅を出発進行、総勢9人の団体旅行となったのです。

途中、雪を頂いた富士山が、雄大な姿を見せてくれたりしましたが、アッと云う間に名古屋駅に着き、駅で買い求めたういろうをチビさん達は嬉しそうに、口一杯、頬張っていました。

京都-大阪-神戸と関西の大都市を進み、瀬戸内海が目に入った時には子供達よりもお袋が歓声を上げて嬉しそうでした。

小生は兄貴と一緒に、無理をしてでも休暇を作り、此の旅行を敢行し、心から本当に良かったと思った次第です。

両親との長期旅行は多分、後にも先にも、今回一回だけだ…と感じていたので、ここぞとばかりに頑張って、グリーン車と奮発したのです。

さすがに世界に誇る新幹線のグリーン車!

乗り心地は抜群です!

親父もお袋も満足そうでホッとしました。

2人の横顔を見ていると、敗戦にもめげずに、ただ馬車馬の如く、子供達の為にと働く姿が重なり、更には、腕白だった自分の幼い頃が走馬灯のように思い出されて、思わず目頭が熱くなってしまいました…。

(次回に続く)