院長の独り言 118 ; 同窓会に舞妓さんを呼んだ!

京都祇園祭の季節になり、テレビでは地元の人が生き生きと準備をしている映像が流れていました。

中学校の修学旅行で初めて京都を訪れ、清水寺、金閣寺、銀閣寺、三十三間堂、京都御所、哲学堂、お西お東の本願寺、嵐山などを観て回って大感激し、大学生になってから今に至るまで何度も、京都の名所旧跡巡りをしました。

その都度、京都の街路をカラコロと華やかに歩いている舞妓さんを何度も眼にしましたが、その絢爛な姿に、すっかり別世界の人として捉えていたのです。

あのように厚い白粉(おしろい)の化粧を施し、夏でも豪華な着物を着て、他人事ながら、毎日の生活が大変だろうな…と同情していました。

今から約30年前、大学の同窓会を京都で行う事になり、『是非、参加して欲しい!』と、名幹事のK君から連絡が入りました。

大好きな京都と聞けば、即答で参加を了承したのは当然の事です。

11月の京都は紅葉も綺麗に色付き、全国に散らばった旧友にも久し振りに会えて、本当に楽しいひと時を持つ事が出来、幹事のK君に心より感謝した次第でした。

また、K君は皆を驚かすためにわざと隠していたのですが、その夜の宴会に、舞妓さんを2人呼んでいたのです。

場所が京都だとはいえ、まさか舞妓さんが来るとは思っても見なかったので、2人の舞妓さんが宴席に現われた時には、その艶やかさに大歓声が起きたのでした。

失礼とは思ったのですが、初めてすぐ傍で舞妓さんを見るので、つい穴の開く程、じっくりと舞妓さんを見てしまいました…。

そして、あの白塗りの顔を全く奇異に感じないどころか、綺麗で艶やかなのには正直、ビックリしました。

街ですれ違って、チラッと見ていた時は、少しグロテスクにも感じていたのですが、夜の部屋灯りで、眼前の姿を見ると、実に清楚な姿なのです。

『幾つなの?』とか『毎日の生活は?』とか『お化粧が大変でしょう』などなど…、我々の不躾な質問にも嫌な顔一つせずに、実に丁寧な受け答えでした。

その態度はとても十代の娘さんには思えない、大人で礼儀正しい対応です。

小生は、すっかり舞妓さんファンになってしまったのでした。

宴会の帰路、その費用を幹事から見せてもらうと、結構、高価なのには二度、びっくりしたものです。

しかし、日本の伝統文化である京都の花街を存続させる為には、少々、お金が掛かる事は十分理解出来ます。

もし存続するのに費用が掛かって大変ならば、歌舞伎や相撲と同じように、国が色々な面から援助する様に計らって貰いたいと思います。

要らぬ心配だとは思うのですが、あの艶やかな舞妓さんと花街を是非、京都のシンボルとして衰微しないように支えていきたいものです。